☆第二章☆*9話*

お断り…*
今回多少、ギャル文字と思われる文字を使っております。
ぁ・ぃ・ぅ・ぇ・ぉ・ヵヽ・ゃ・ゅ・ょ・ゎ などです。
1、2回しか使用していませんが、ご了承下さい。
尚、どうしても読めないor迷惑な場合、消去及び訂正致します。
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「うぅ…」

あっこがうめいた。

ただでさえ居心地の慣れない(チャオの世界)にいるのに、

異世界にまで来てしまったため、精神的にダメージを受けているのだ。

【あっこさん、本当に大丈夫ですか…?一休みしてからでも、僕は…】

「うっ、ううん、本当に大丈夫だから!ごめんね、気ぃ使わせて…。
 それより、そうっ、あの、もう時間ないんだから!早く行こう!」

アークリアの言葉をさえぎるようにあっこが言った。

【なんかバカブリーダー、様子がオカシイチャオ…?】

ラッキーがハテナポヨを出しながら呟いた。

そのラッキーの言葉に、他の皆は気付かなかった。

【・…】



あっこ達一行は、ずいぶん長い間歩きつづけていた。

【なぁ、アークリンア】

【なんですか?】

長い沈黙を破って、チャキがアークリンアに聞いた。

【あんたの世界って、町とかあんのか?村でもいいけど】

「あぁ、そういえばそうね…」

あっこも問う。

【・・・】

「アーくん?」

あっこがもう一度問う。

【あ、ごめんなさい…。僕の故郷は…。ゆがみによって、もう…。】

アークリンアが苦し紛れにそう言った。

目にはかすかな涙が浮かんでいた。

かすかでも、あっこにはその涙に気付いていた。

【え…。あ…。】

チャキが焦る。

【そんな…。本当チャオっスか?】

ハッピーが言った。

【チャキ】

ラッキーが言った。

チャキにはラッキーの言いたいことが解っていた。

【あ…と、その、アークリンア…】

チャキが焦り焦りでいった。

【何ですか?】

泣き笑いのような顔を浮かべてアークリンアが言った。

【ぁの…ゎるヵヽったょ…。さっきのよぅな質問…。】

【え?】

小さいモゴモゴといっている為、アークリンアにはよく聞こえないようだ。

【だっ、だからっ!!ごめんって言ってるんだよッ!!!解ったかっ!】

チャキは顔を湯でタコのように真っ赤にして叫ぶように言った。

【い、いえ、僕も悲しいことばっかりいって…】

アークリンアは正直驚いていた。

強気な性格のチャキが謝ったからだ。

「わ、私もごめんなさい…」

あっこはチャキに続くように言った。

「でもね」

あっこは続けた。

【え…?】

アークリンアはすでに泣いていた。

「絶対に皆で取り返そうよ!!そのために私達、一緒にいるんでしょ!」

あっこはガッツポーズをしてアークリンアに言ってみせた。

【そうチャオっス!僕ら達で取り返して見せましょう!】

ハッピーも言った。

【バカブリーダーも、たまには良いこと言うチャオっ!アークリンア、
 頑張ろうチャオっ!】

【オレ達の世界も破滅するんだし…やってチャオ!!】

ラッキー、チャキも続けていった。

アークリンアは、家族を失った悲しみと心強い仲間がいる喜びの

顔がくしゃくしゃになるほどの涙を流した。

【はい…有難う…皆、有難うございます…!】

薄暗い世界。でも一行の笑顔は太陽のように明るかったのであった。


ガサ、ガサッ、…。

【フフ…また新しい獲物が来たようだよ…チャピル…】

【あぁ…また新しい餌食が来たようだな…チャペル…】

*続く*

このページについて
掲載号
週刊チャオ第168号
ページ番号
9 / 13
この作品について
タイトル
優しい飼い主求めて。
作者
あっこ
初回掲載
週刊チャオ第160号
最終掲載
週刊チャオ第171号
連載期間
約2ヵ月19日