~世界と世界の境目の冒険~(第二章)*8話*
【えぇ・・っと、それじゃ、境目への扉を出しますね。】
とりあえずさっきのことは置いといて、というあっこの
能天気な考えでさっきの裏騒動が収まった。
「うん、宜しくアーくん」
あっこが微笑む。
【・・・・・・】
チャオは無言。さっきの恐怖心が抑えられないようだった。
【それじゃあ、呪文を唱えるので皆下がっていてください。
重力が強いので、引きこまれたりしたら大変です】
【あれ、じゃアークリンアは大丈夫チャオか?】
ラッキーが言った。
【僕は境目の住民なので、重力も優しくなるんです。あらかじめ
部外者は引きずり込んで、住民には優しくなるって感じの
呪文がかけられているんです。といっても、1m離れていれば
大丈夫なんですけどね。】
アークリンアはラッキーにそう答えると、呪文を唱え始めた。
あっこはあまりチャオ語が解らないので理解できないのは
当たり前だが、チャオ達すら理解できない呪文を唱えていることが
表情からして理解できた。
(チャオ達は人間の言葉が解るのであっこには人間の言葉で話してる)
【■×▼÷☆#&$””・・・チャオチャチャチャチャオチャ!】
呪文が終わり、チャオの言葉で何か言った。
「ねぇねぇ、何て言ったの?」
あっこがチャキに話しかけた。
【あぁ、呪文はわかんないが最後は「我らに扉を与えよ!」だってよ】
チャキが答えた。
しかしその声はすぐあっこが見たあの光によりかき消された。
「…これって…私が飛ばされた時の光…!?」
【みなさん!扉へ飛びこんでいってください!早くしないと扉が
しまりますよ!!】
アークリンアはあっこの手を、ラッキーは嫌そうに(ぁ)あっこの手を
ハッピーはラッキーの手を、チャキはハッピーの手をつないだ。
繋ぎつなぎになりながらも何とか扉へ入っていった。
――――――・・・・・
何時間か経った。
アークリンア意外の全員は重力に耐えきれなくなり気絶した。
「ん~ん…。ここは…?」
あっこが起きた。
ラッキー達はすでに起きていた。
【あっこさん、大丈夫ですか…?】
アークリンアの声が聞こえた。
「あ、アーくん。うん、大丈夫。有難う。」
あっこはそう答えるとすっく、と立ちあがった。
ここから、もう冒険は始まっていた。
―――――破滅まで残り61時間41分―――――
*続く*