第六十一話 悪魔の力対抗戦

デライツ「言わなかったか?古代文明は悪魔の「ゼノン」により、滅ぼされた。」

傷を負ったムーンと、サン。もはや、太刀打ちできる力はないように見える。

ムーン「見縊っていたな・・・」

サン「だなあ・・・俺ら、死んじまうのかあ?」

デライツ「望みだろう?極楽浄土に案内してやろう!」

黒い光が氷のように再び成る。割れかかり、それが弾けとんだ。

何が起こったのか、デライツも理解できていないようだ。

デライツ「何だ!?何が!?」

白い光が氷を裂き、地上に咲く。白い体に、赤い模様の・・・ヒーロー・ハシリ・ハシリ・・・

ホワイト「案内してもらおうじゃねーか!!」

デライツ「ちぃっ!悪魔め!」

ホワイト「さあっ・・・・・・・・・・・行くぜ!」

空中で助走を付けるようにして、デライツに突っ込んでいく。白い光を左手にまとって、振りかぶる。

素早い動きでデライツの背後に回ると、「ブルーライト・エネルギー!」の叫びと共に、白い光が放たれた。

吹き飛ばされたデライツは、地面に着地する前に黒い光を土台として、立ち上がる。

デライツ「ふん・・・案内してやろう!暗黒滅神撃!!」

ホワイト「正儀閨破ぁ!」

一瞬で光儀刀を作り出し、巨大な銀色の剣が作り出されると、白い光の結晶が、雹のように飛んでいく。

それは、黒い光の渦と相殺し、天に昇って、消え去った。

デライツ「何・・・!?貴様・・・なぜ・・・その力は・・・悪魔の力ではない筈だ!」

ホワイト「俺の体は悪魔かも知れねーけどなあ!心まで悪魔になっちゃいねえんだよ!」

デライツ「ふざけているのか!貴様ごとき、朗々四天である俺の敵ではない!」

不可思議な気を漂わせる杖を構え、デライツは何かを呟いた。その体は黒い光の同化し、杖も粉々に砕け散る。

ムーン「気をつけろホワイト!イービル・ルーインが来るぞ!」

ホワイト「いーび・・・?んだそりゃ?んなの知るかよ。ぶっとばしゃ、いい話だろうがあ!」

銀色の剣を高くかかげ、覚醒、開闢と、ニ連続で解放する。が、白い光の解放は、それだけでは終わらない。

頭上に出来た白い球体が割れ、光が解き放たれた。

サン「破天荒開闢ぅ!?」

ホワイト「消えやがれぇ!」

掲げた剣を、空中で下に振り下ろし、一気に上へと斬った。白い光により、黒い光は消し飛び、消滅した。

衝撃の中にいたデライツは、黒い光を失い、ピュアの子供チャオへとなった。

ムーン「・・・どうやら、力を失ったようだ。」

ホワイト「だな。で、教えてもらうぜ。一体全体、あんたらは誰だ?」

サン「よくぞ聞いてくれた!!」

ホワイト「お前に聴いてねえ。」

一瞬の沈黙。サンは冷たい目でホワイトを睨みつけるが、フォローする気も失せたムーンが口を開く。

ムーン「かつて、帝王の名を受けた「闇」に打ち勝った者・・・といえば分かるかな。処で、説明はあとだ。姫は?」

ホワイト「知らねぇ。ラキナの女郎とどっか行きやがった。カイスと・・・イレンの姉ちゃんも一緒だな。」

ムーン「イレンがいるか・・・なら安心だな。だが、この星の危機を伝えなければならない。自己紹介しておこう、ホワイト。」

隅っこでうずくまっているサンを一睨みすると、サンは起き上がってきた。元気回復!というように、街の残骸の上に乗っている。

あきれ返ったムーンが、半目になって腕をすくめる。

ムーン「僕はムーン=ザ=ライバース。過去は「月の子」や、「月神」等と呼ばれていたが・・・力を封印されてからは身を隠していた。」

サン「俺はサン=オブ=フレイアム!「太陽の子」、「太陽神」やらなんやらだ。ムーンの唯一無二、最強のライバルだぜ!」

ムーン「・・・毎度のことだが僕に勝ったことは無い。」

ホワイト「・・・へえ。俺はホワイト=ザ=ラシアロスト。で・・・さ。「悪魔」って・・・何なんだ?」

思いつめた表情ながらも、ホワイトは聴くことにした。その質問に驚いたムーンが、サンを一発殴って弾いてから、言った。

ムーン「ほう。と言う事は、初めて『対話』出来たのか。心配は要らない。僕も「ゼノン」の細胞が入ってる。」

サン「分からねーだろうな。「ゼノン」ってのは、超古代生物。幻の悪魔で・・・ま、どうせ分かる。ラキナがいるってこたあ、目的地は一つ!」

ホワイト「ちょっと待てよ!俺は「チャオ」じゃねーんだろ?!俺は・・・どうしたらいいんだよ!」

少し考えた後、ムーンはにやりと微笑を浮かべた。その微笑は、ヴァルサのような微笑だ。

ムーン「どうしようも出来ん。僕は覚悟を決めているが。」

ホワイト「覚悟・・・ってなんだよ・・・俺が弱い所為で、皆どっかいっちまったんだぞ・・・」

ムーン「死を持って償う覚悟だ。待つことを知らぬ馬鹿者は足をすくわれる・・・全てはソルブーク列島で分かることだ。」

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第217号
ページ番号
64 / 74
この作品について
タイトル
WHITE LEGEND
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第179号
最終掲載
週刊チャオ第217号
連載期間
約8ヵ月24日