第六十話 いてはいけない存在
サン「へっ!俺に勝つ?甘ったるいこと言ってんなあ!」
デライツ「くっ・・・」
巨大な、刃のぎざぎざした赤い刀を振り回しながら、サンは叫ぶ。叫ぶだけで、圧力が飛び散るようだ。
処が、デライツはにやりと微笑み、両手を合わせる。
デライツ「くくくく・・・過去の最強戦士・・・ライバースがどうやって「闇の現況」を倒したか知っているか?」
サン「救う力、だろ?」
デライツ「その通り。だが、救う力とは相対的に、もう一つ、夢幻の力を生み出す力があることを知っているか?」
首をかしげるばかりのサンに、デライツは微笑を見せ続け、合わせた両手を高く挙げる。
大量の黒い光が、デライツの周囲から噴出して、渦を巻いていった。それが凄まじく唸り、輝く。
デライツ「悪魔の力・・・「Z―E―N―O―N」・・・解放!!」
サン「んなっ・・・!?」
爆風が散り、デライツの周囲は焼け跡が残る。・・・いや、焼けているわけではない。
氷が化学反応を起こし、灰のようになっているだけだ。
サン「・・・悪魔の力・・・「ゼノン」!?」
デライツ「古代文明が崩壊した理由は、この闇の怪物、ゼノンのおかげなのだよ、アナザー・カオス!」
サン「ちっ・・・唸れ、インフェルノ=ライトニング!」
赤い刃が光だして、衝撃が飛び散る中、デライツは黒い光を右手に集結させ、振りかぶっていた。
デライツ「・・・暗黒滅神撃・・・」
サン「ち・・・くしょ・・・」
はじけ飛ぶ黒い光。サンの目の前に現れた影。紫に光る体。
ダーク・ハシリ・ハシリに、赤いライン。左手に握る大きな剣。
デライツ「貴様・・・アナザー・カオス・・・ムーン=ザ=ライバース!」
ムーン「本番と行こうか、デッドライツ。僕の力、特と見せてやるぞ。」
ホワイト「嘘だろ・・・」
―『これが真実だ。確かにホワイト=ザ=ラシアロストは実在した。ラシアロストの力をひいていた。が・・・死んだ。』
ホワイト「今の俺は・・・俺は・・・」
・・・俺は・・・チャオと・・・悪魔が混ぜ合わさって作り出された・・・人工カオス・・・
ホワイト「へ・・・へへ・・・そうか、そういうことかよ・・・」
―『!・・・なにをする・・・!』
空ははがれていき、周りの景色はどんどん暗く染まっていく。
あっという間に真っ暗な空間の中に叩き落され、まるで水の中を落ちていくように、ホワイトは眠りに付いた。
ホワイト「・・・Another chaos・・・もう一つの存在・・・いちゃいけない・・・存在・・・」
“ふざけるな”
ホワイト「・・・え?」
心のどこかで、そう反論する。
“お前を信じている者たちはどうなる”
ホワイト「んなの・・・知らねーよ・・・」
“ならば・・・真実の真実・・・更なる本当の真実を見つけ出せ!立ち上がれ、ラシアロスト!”
続く