第四十六話 兄、再び
ホワイト「何言ってんだ?俺は俺だぜ・・・何もんでもねえ、ホワイトだぜ!」
黒い光が左手に集まり、走り出した。飛び上がると、光儀刀が完全に形態を成し、回転していた。
ウォリア「!―臨界両断!」
ホワイト「正儀―閨破ァァァ!」
雹はウォリアの剣を弾き飛ばして、壁に突き刺さった。その圧力で、身動きのとれない、ウォリア。
目には恐怖の色さえ見え、着地したホワイトを恐ろしげに見つめている。
ホワイト「へっ!どうした!?弱ぇーじゃねえかよ!」
ウォリア「く・・・私が・・・追い詰められるだと・・・」
ホワイト「終わりだぜ・・・消えろ!!」
―その時だ。雹は全て弾かれ、ホワイトは一瞬にして黒い光が止まり、壁に衝突してしまう。
たったの紙一重、一瞬でだ。それをやり遂げたのは、黒いフードと、全身を覆うマントを身に着けたチャオだった。
「リロードの「ラシアロスト」に伝えておけ、ホワイト。自らの管理は自らでしろ、とな・・・」
ウォリア「貴殿・・・何故私を助ける・・・」
「貴様、未だ命は惜しかろう?」
気絶しているラリマ姫は、黒い光の十字架が解けたことによって、起き上がった。
疲れからか、光のひとかけらも見えない、ホワイトは、壁にもたれかかっている。
正体不明のチャオを前にして、ウォリアはおびただしいほどの恨めしい目を向けた。
ラリマ「ホワイトッ!」
ホワイト「う・・・逃げろ・・・」
「間も無く空中要塞は崩れ散る・・・また会おう。生き残れればの話だがな。」
カイス「こ、ここは・・・どこだ?師匠は?!」
起きてみると、そこは王宮。帰ってきたのだ・・・ガーランド大国へと。
布団から抜け出すと、王宮の間がすぐ見えた。そこには、ラステに、セザン、ゾルグ、そしてヒーズとアヴェン、ブレストも見えた。
ラステ「おっ!カイス、起きたか!」
アヴェン「お前が一番、怪我が酷かったからな・・・後遺はないか?」
カイス「姫様は・・・奴は・・・ホワイトはどうなった!?」
「奴らなら無事だ。」
その言葉を放ったのは、緑色のニュートラル・チカラ・チカラのチャオだ。カイスとヒーズには、見覚えがある。
以前、アルビーク・トレインズという街の、カイスの兄の家、ヴァルサの家にいったとき、いた、スパラというチャオだ。
アヴェン「スパラじゃないか。なんでここへ?」
スパラ「分かってるくせに聞くなよ。ホワイトに、ラリマ姫は、生きている。新たな敵に立ち向かう為にな。」
ゾルグ「もうよかろう。後はこちらで話しておく。」
続く