第三十九話 対峙する”敵”
ホワイト「いっちばんのりー!」
飛行船から飛び降りて、ホワイトが最初に甲板から飛び降りることとなった。(自動的に)
空中要塞は真下なので、素早くブレストが、ラリマ姫を抱えて降りていった。次次と、ラステ、セザン、最後にカイスが、飛び降りた。
そこは庭園で、ここから二手に分かれることとなっている。今は、組織の者も気づいていない。丁度いい。
ブレスト「姫、走れるか?」
ラステ「くれぐれも失敗するなよ!できるだけ死ぬな!」
順番が逆ではなかろうか。右の方向に、カイスらが走り出すと、逆に、ホワイトらも走り出した。
中に入ると、警報がうるさく鳴り響いており、ほぼそれを無視しながら、走っていた。
すると、突然陰から組織のチャオらが出てき始めたので、ブレストやカイスは作戦を立てることだろう。
ホワイト「強行」
ラステ「突破ぁ!」
この二匹は違うが。
しばらく走っていくと、組織のチャオも見なくなり、三手に分かれる場所に出た。これも予想通りだ。
三手に分かれるところだが、姫を一人にすると叱られるので、ホワイトが連れて行くことになっているのだ。
・・・・・・歩いていくと、やがて全員、ほぼ同時に、中部屋に着いた。勘の鋭いカイスやブレストは、敵がいることに気がつくだろう。
ホワイト「うっしゃあ!だれもいねーぜ!」
ラステ「余裕だなー。警戒薄いし!」
この二匹は違うが。
セザン「怪しいな・・・出てこないのか?」
まず、セザンの場面から写すこととしよう。ここでは何もないが、矢張り何かの気配が感じ取れる。
行き止まりだが、先のほうに扉を無理に塞いだような壁もある。
セザン「お前か・・・兄。」
テラン「ご名答っ」
どこからか、現れたのは、テランの姿。この二匹は実の兄弟で、似ているといえば似ている。
セザン「悪いが、今回はお前と遊んでいる暇はない。」
カイス「久しいな。腕を上げたか、師匠?」
中部屋で、カイスは、アールのことを、師匠と呼んだ。なぜか、カイスには礼儀が篭もっていなかった。
表情を変えずに、いつもの口調でアールは、言った。
アール「お主は腕が鈍ったようじゃが?」
一方、ブレストは全く無言で、ゼビリットも珍しく無言だ。何か因縁でもあるのだろうか、それとも・・・
と思っていると、二匹とも挨拶無用で、一方的に勝負で決着を付けるタイプのようだ。
ホワイト「ラリマァ、誰もいねーぜ?」
ラリマ「おかしい・・・五帝は五匹だから、居るはずなのに。」
大分この口調にも慣れてきたのだろう。ラリマの言葉に違和感がなくなっていた。
と、その時・・・黒い光と共に、かつての「闇」、ウォリアが・・・現れた。
ラステ「・・・お前も・・・守護者の「左腕」としての誇りを失ったか?ダート!」
鎧兜を身に付けた、赤いチャオ。その姿は、紛れも無く、ヴァルサの友―
ダートの姿である。
続く