第三十五話 傷つけたりは「プライド」
ラリマ「ホワイトは、先の光を、溜めてください。そうすれば、次に巨大な一撃が放てるはずです。」
ホワイト「いいけど・・・んな暇、それこそねえぜ?」
ラリマ「私が時間を稼ぎます。お降ろしください。」
ゆっくりとラリマ姫をおろして、したがった。ホワイトにはもう手がないのだから、従うしかない。
一方、勝利を確信しているブレストは、一点の厳かも見えない。
ブレスト「さて、来るか?」
ラリマ「私がお相手します!」
流石はお転婆な姫様といったところだろうか。気合と度胸だけは、とんでもなく備わっている。
ブレスト「姫様直々に相手か。いいだろう!」
その言葉と共に、赤い光を一気に放ったブレスト。その反動を使い、上空へと飛び上がった。
ラリマ「集中・・・して。・・・・・・行きます!」
ブレスト「レッドライト・エネルギー!」
確実に、放てたはずだった。ラリマ姫が左手を挙げると、「青い光」が「空中」から生み出され、迅速にブレストの攻撃に対応したのだ。
まず、攻撃「そのもの」を封じるべく、ブレストの体勢を崩し、上空へ赤い光を放った。
ホワイト「すげえ・・・・・・」
ラリマ「次です!」
青い光はラリマ姫の左手の動きに呼応し、上へ上げると光は上へ、下に下げると光は下へと、動いた。
光でブレストの周囲を囲むと、そこから十字架に空中で、青い光が捕らえた。(同時に、ラリマ姫の左手と右手は交差した。)
ブレスト「何だ・・・!?」
ラリマ「クロスライト!十字閃!」
急に光の輝きが増し、ブレストの体は地面へと、叩きつけられた。
物凄く、すごい。どのくらいすごいかというと、ホワイトが見惚れて光を溜めるのを忘れているぐらいだ。
ホワイト「ちょっとできるぐれーじゃねえぞ・・・俺より強いかもしんねー・・・」
ブレスト「く・・・見縊っていた・・・」
ラリマ「!」
赤い光が再び強烈に噴出して、ブレストを覆い尽くした。いくらなんでも、大きすぎる。
ブレスト「終わりだ。」
放たれた赤い光は、見事とまでに吹き飛んだ。ただ、三回の金属音のうちに。
ラリマ「ホワイト・・・」
ホワイト「あんなもんを見せられちゃ、俺も黙ってらんないんでなあ。」
左手に剣を作り出して、弾いたのだ。なんだ、案外簡単じゃん、とでも、いいたそうな顔をしていた。
ブレスト「・・・・・・また貴様か。」
ホワイト「宣言するぜ。てめえは俺に負ける!!」
ブレスト「先ほども同じことをほざいていたが、結局は負ける運命、貴様に向く!」
再度、剣を左手でぐるぐると回転させ、青い光を放ち続けた。それを段々と、上へ向けていく。
同じく、ブレストも、剣を高く挙げた。そして、大きく、振りかぶった。
ブレスト「『覚醒』、『名の解放』。貴様にこの壁を超えられるか・・・試みようか!」
その言葉と同時に・・・ホワイトの剣が爆発した。青い光が煙のように散らばり、爆音だ。
・・・・ブレストの赤い光は、ブレストを中心に「まとっている」ようだったが、今のホワイトは違う。
発生源が二つある。一つは自分の体内。もう一つは・・・ポヨだ。ポヨが青く輝いている。
ホワイト「はあ・・・はあ・・・うぃ~~・・・」
大きく伸びをすると、疲れたようにへたりこみ、座るホワイト。それが、ブレストのプライドを傷つけたのか、ブレストは赤い光を一点に集め、構えた。
ブレスト「戦う気があるのかないのか・・・はっきりさせろ!!」
ホワイト「あるぜ。だってこれ使ったから、もう俺、最強だぜ?」
よいしょと、立ち上がったのも、ブレストのプライドを傷つけた。そして、限界まで達したようだ。
ブレスト「レッドライト・エネルギー!」
『―正儀閨破―か。』
続く