第二十七話 現在任務遂行中 (2)
ホワイト「姫ェ?なんで姫が脱走なんかするんだよ?」
どこまでも話を聞いていないやつである。これだから連れて行けない理由というのも分かる気がする。
ホワイトのポヨが「?」マークから元のわっかに戻ったところで、ラステが口を開いた。
ラステ「ともかく、行ってみよう。話しはそれからだな。なんつったって・・・・」
セザン「大佐!何か来ます!」
言葉の途中でセザンが叫び、ラステの前に構え、立ちふさがった。空から「何か」が来る。
よく見ると、来るのではなくて落ちて来ている。白い大きな、翼の生えた龍だ。
砂浜に不時着すると、大きな龍から小さな龍が飛び出し、鳴きながら大きな龍に話しかけているようだった。
カイス「赤い角に、白い体?おかしいな・・・・新種か?」
ラステ「絶滅したと云われる・・・伯龍だ。なぜこんなところに・・・」
ホワイト「おーい。大丈夫かー?」
さすがに、「勘」で動物と対話できる能力を持つホワイトは、砂浜を龍の方向に走り出した。
小さな龍はホワイトに向かって何かを訴えかけているようだったが、カイスらがホワイトの元へ駆け寄ると、ホワイトはこう言った。
ホワイト「「カクレガ」っつーとこにいたら、急に襲われたんだとよ。」
ラステ「隠れ家だな。しかしなんでお前は動物と話せるんだ?言葉がわかんのか?」
セザン「大佐、どうやらホワイトには不思議な力があるようです。それより、この龍の手当てを。」
カイス「いや、もう遅い。」
大きな龍に近づき、ボロボロの羽と、傷だらけの身体を見ながらカイスが言った。
カイス「龍の精神力の源である、「龍神芯」をやられている。」
ラステ「へえ。博学だな。それよか、このちっちゃい龍をかくまって、そろそろ出発しないと、間に合わないんだけど・・・・」
ホワイト「いいか?おとなしく隠れてるんだぜ?」
小さな小包に、小さな白い龍を入れると、頭を少し出して、紐を軽く縛った。ホワイトにしては上出来なアフターケアだ。
セザン「ガーランド大国はそれ程遠くありませんよね?行きましょう。」
そして、死に掛かっている龍の亡骸を後に、ガーランド大国へと足を進めた。
続く