第十六話 川と林と・・・(後)
ヒーズ「格が違う・・・・」
アヴェン「虚雷丸!」(こらいがん)
ノアン「穀雨」
スピードでは負けないはずのアヴェンの剣でさえ、ノアンは軽々と受け流した。
「穀雨」という剣術がどういうものなのか、分かりもしない速さだ。
カイス「ち・・・!・・・ヒーズ!上に・・・壁を張れ!」
ノアン「刃伝雷雨!(ばでんらいう)」
キラキラと輝くほどの、黒い光が、雨のように降り注いだ。空気をも切り裂く、その光は、ヒーズの作り出した氷の盾を、打ち砕き、壊した。
アヴェン「虚雷丸っ!」
ノアン「能無し目・・・・貴様らの力は十分に存じた!」
速い剣の攻撃も、ノアンの速さにはかなわなかった。一瞬にしてアヴェンは地面にバタリと倒れ、剣も薄れて、消えた。
カイス「アヴェン・・・・く・・・」
ノアン「さて、終わりにしよう。」
空中にスーッと舞い上がり、ノアンが剣を振り上げた。そして、黒い光の雨を、空多角から周辺に、降り注がせた・・・・・
だが、黒い光は全てノアンに跳ね返り、ノアンは黒い光を剣で防いだ後、着地した。
ヒーズ「何が起こったんだ・・・?」
ノアン「来たな・・・」
ホワイト「悪ぃ。遅れた。」
なに食わない顔で、ホワイトが微笑して、立っていた。
その時のノアンの顔は、真剣なものだったが、次第に悔やみが見えてきた。
ノアン「時だ。」
ホワイト「あん?」
ノアン「私と戦いたければ、「カートレッジ塔」・・・四階まで、登ってこい。その前に、七福神に倒されると思うが・・・な。」
バシュッと、黒煙がそこには残った。ノアンは、逃げたのだ。
追いかけようとしたホワイトだが、カイスたちを見ると、残らざるをおえなかった。
そのとき、夕暮れの空を見上げると、一匹のチャオが丘の上に居た。
さきほどの、子供のチャオだ。ピュアの、ヒーロー・オヨギチャオも、いる。おそらく、親だ。
第十七話へ続く