第十六話 川と林と・・・(前)
アヴェン「リヴァー・アルト・・・久し振りだな。」
船の上から、地底洞窟へと移動したホワイト一行は、特訓に明け暮れる。そして、特訓が終わったとき、ホワイトが起きて、地上に戻った。
正確には、水上。そこの水上には、クジュとロジュを倒した、ビシャスが居た。
圧倒的な強さで、アヴェンがビシャスを倒す。そこから、目的地、リヴァー・アルトへと着いた。
そこは、自然と街が合成されたような街で、ところどころに川や、木々がある。
ホワイト「ここでなにすんだよ?」
カイス「とりあえず、休息を取ろう。ここから北にいったところに、「カートレッジ塔」という、組織の支部がある。」
地図を見ながら、カイスはリュックを背負って、みんなを案内した。
着いた先は、広場のような場所だったが、日光と、気持ちのいい風が吹いているので、快適そうだ。
木陰に座り、カイスとヒーズ、アヴェンは、寝転がった。一番傷だらけで疲れていそうなホワイトは、はしゃいでいる。
ホワイト「おーい!いっくぜー!」
いつの間にか見知らぬ子供チャオたちと、フリスビーを投げて遊んでいた。
それから随分と時間が経った頃、ホワイトが子供チャオの親たちに礼を言われていた。
カイス「変わってないな・・・・」
アヴェン「来たことあんのか?」
カイス「幼い頃に、兄上とよく遊びに来たものだ。兄上は子供たちと遊ぶのが得意で、よく親君たちに馴染んでいた。」
フフ、と、ホワイトに言わせれば「柄にもなく」、微笑しながら言うカイス。
もう日は沈みかかっており、ホワイトは疲れていそうだが、とても元気そうな顔をして帰ってきた。
と、思うと、急にホワイトが歩いてきた方向から、チャオの泣き叫ぶ声がした。
ホワイト「なんだあ?」
ヒーズ「あの子供たちだろう!組織のもの共か、それとも別の何かだ!行くぞ!」
休息を取って、準備万端だったカイスたちは、急いでホワイトの背後に走っていった。
しぶしぶと、ゆっくり歩きながら、ホワイトは後ろへいった。
???「邪魔だ、どけ。それ以上叫ぶようなら、私が貴様を滅す。」
ピタッと、紫色のニュートラル・チカラチャオは、ピュアチャオの子供に、手を向けた。
とたんに泣き止む子供チャオは、ベーッとやじを飛ばすと、紫色のチャオに首根っこを掴まれてしまう。
アヴェン「誰だ?」
カイス「貴様、組織の―・・・・アヴェン、ヒーズ・・・退け。こやつ・・・・・果てなく強い。」
恐ろしげな表情を浮かべて、カイスはアヴェンとヒーズに合図をするが、アヴェンは子供を放せ、と退かない。
ヒーズ「名を聞かせてもらおうか。」
ノアン「ノアン=ジェール。私に歯向かうのならば、容赦はせんぞ。」
アヴェン「子供を離せば、言うまでもなく歯向かってやる!」
どうやら、意地でも退くつもりはないらしき、アヴェンとヒーズに諦め、カイスは前に出た。
ノアンは子供チャオを降ろし、睨みつけると、子供チャオは去っていった。
ノアン「ふん。どうやら、貴様らのほうが楽しめそうだ。」
カイス「ああ。その通りだ。」
腰の剣を抜き、構えながらカイスは言った。ヒーズもアヴェンも、剣を出して、準備は出来た。
アヴェン「いくぜっ」
ノアン「まずは一匹―」
ット・・・・何が起こったのか、アヴェンの後ろにノアンが移動していた。
そこへ、ヒーズがアヴェンとノアンの間に氷の壁を作ったので、アヴェンは無事だったが・・・氷の壁は、粉々に砕けていた。
カイス「速いな・・・やはり。」
ノアン「後悔しても遅い。」
ヴヴン、という機械音が、ノアンの右手から放たれると、その右手に両刃の包丁のような長剣が握られた。
それを振りかぶり、ノアンは飛び上がると、アヴェンとヒーズの間をすばやく通り、カイスに向かった。
カイス「八熱地獄っ!」
ノアン「穀雨!(こくう)」
すれ違いざまにきりあったのか、カイスの背後にはノアンが居た。カイスはひざまづいたが、なんとか致命傷は避けられたようだ。
(後)へ続く