第十三話 本格登場『七福神』

ビシャス「どうしたぁ?遅いぞ!」

船上で、マイルというチャオに作ってもらった飯を平らげたホワイト一行。

しかし、海で事件が発生した。ホワイトはダウンしたので、ヒーズが七福神、ビシャスに勝負を挑んだ。

だが、そのスピードの格差に追い詰められかかるヒーズ。

カイス「駄目だヒーズ!貴様のかなう相手では・・・・」

ヒーズ「黙ってろ!これは、僕の戦いだ。」

ビシャス「おや?隙、あり!」

受け答えし、余所見をしているヒーズの隙を突いたビシャス。

剣はヒーズを海へとほおリ投げ、ヒーズはなんとかコールドソードを握ると、海を斬った。

ビシャス「弱かったねぇ。次ぁ、オレンジ色のお前!いこうか?」

ヒーズ「おっと、隙、有りだな。」

その言葉と共に、ビシャスの剣は右手と共に凍ってしまった。

カイスは上を見上げたが、ヒーズの姿はない。周囲を見渡しても、ヒーズの姿はない。

いるのは、怯えているマイルと、寝ているホワイト。それからビシャスだけだ。

ビシャス「どこにいるんだ・・・?」

ヒーズ「そうか、君、見えないのか。フ・・・・」

船の上から飛び上がって、空中に浮かびながら、船上めがけて突進していくビシャスだが・・・

海から出てきた氷が、ビシャスを空中に捕らえ、そのままビシャスは止まってしまった。

カイス「海の中か・・・?」

ヒーズ「違うな。よく見ろ・・・・なぁ?」

操縦部屋・・・の上だ。さきほど、ホワイトがいたが、全然きづかなかった。

それもそのはず。先程までは太陽が沈みかかっていたものの、今は真上ほどに来ている。分かるはずがない。

ビシャス「どこにいやがる・・・・?」

ヒーズ「僕の剣術・・・「マハブフーラ」。その身、ことごとく凍結させてやろう!」

ビシャスを捕らえている氷は次第に大きくなっていく。が、ビシャスは笑みを欠かさなかった。

急に氷が全て割れたと思うと、ヒーズは船の上に落ちてきて、かんばんに叩きつけられた。

ビシャス「はっはっは!!氷を伝っていけば、お前の場所なんて皆目なんだよ!」

カイス「なんだ・・・?その姿は・・・・?」

苦し紛れに立ち上がったヒーズは、ビシャスの姿を見て、おどろいた。

さきほどまではなかった、黒い煙が、ビシャスの周りを渦巻き、身体には紫色に光ったアザ。

ビシャス「はっはっはぁ!俺の勝ちだな、小僧!―失せろ!!」

キリリリ・・・・・・−ン。なにがおこったのか、理解できるものは、いないだろう。

ヒーズは目を丸くして、見回している。カイスは、ビシャスを探し、空中やら海やらを見ている。

そして、マイルは、ビシャスの立っていたヒーズの目の前に、立っていた。

ドシャッという、大きな音と共に、ビシャスは消えていった。そこにただ一匹、立っているのは、マイルだけだ。

カイス「貴様・・・・何者・・・・?」

「やはり、「組織のものを倒したチャオ」とは、君らのことだったか。」

それは、マイルの身体から発される声なのだが、マイルの声ではなかった。もっと低い、強い、冷静な声だった。

「俺の「演技」は、完璧だったか?・・・・クジュッ!」

マイルの身体が、だんだん黒く染まってきた。更に、ニュートラル・オヨギ独特のたれがみが上に上がっていった。

「クジュ」と呼ばれたチャオは、白い帽子を被っている。

フロンタに似ていたが、カイスは状況を理解した。フロンタ、マイルなど、元から居ない。これは、罠だと。

クジュ「俺はヴルグ七福神、大切り隊長。閃光のクジュ!」

ロジュ「俺はヴルグ七福神、同じく大切り隊長、波乱のロジュ!」

カイス「くそ・・・やはり罠かっ・・・」

そのチャオら、クジュとロジュは、ふわりと上空に上がっていく。

すると、突然黒い閃光を放った。その光は船を真っ二つに切断し、カイスらを海の底へ沈めた。

ロジュ「どうする?クジュよ。」

海の上、つまり水上に、立ちながら話している。

ありえない話しだが、水上には浮かぶようにして立っているので、おそらくホワイトと同じ方法だろう。

自分の足元に光を作り出し、それを土台にしているはずだ。

クジュ「奴等はしぶとそうな顔をしていたな。ここで待っていよう。」

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第182号
ページ番号
14 / 74
この作品について
タイトル
WHITE LEGEND
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第179号
最終掲載
週刊チャオ第217号
連載期間
約8ヵ月24日