第八話 アルビークトレインズ
ホワイトは、バトル・ランド支部のリーダー、オーグを倒した。
ホワイトの扱う剣は「光儀刀」といい、光の力で戦う能力だ。
カイス「しかし、七福神を倒してしまうとは・・・・やるな。」
ホワイト「そうそう。あいつがいってたぜ。「ヴルグ七福神、いれずみ隊長」とか。」
カイス「「ヴルグ」というのは、組織名だ。過去・・・「帝王」の名を冠す闇の龍が結成していた。」
ヒーズ「聞いたことがあるな。僕はまだうまれていなかったが、父さんが言っていた。帝王に対抗したのは、僕たちだって・・・・」
小さく頷いたカイスは、地図を広げた。そして、一点を指した。
カイス「ここだ。今は森林しかないが、昔はここに巨大な塔が建っていた。だが、話を戻す。帝王は倒され、組織は壊滅した。」
ホワイト「じゃあなんで・・・・」
カイス「復活したんだ。一年前に。空に闇が出来て、闇の「魂」が復活した。」
少しの間、その場には沈黙が流れたが、ホワイトそれを突き破った。
ホワイト「よし。じゃあ、次はどこだ?」
カイス「次の街は、ここから北の・・・・・見えるだろう?」
どうやら今までいたところは塔らしく、屋上から見る朝日の景色は素晴らしかった。
と、少なくともホワイトは思った。朝日の方向に、丁度太陽があった。
その場所には、大きな街と、その中心部の大豪邸が目立つ。
ヒーズ「あそこだな。いくぞ。」
謎の組織「ヴルグ」の秘密を知り、次の街、「アルビーク・トレインズ」を目指し、歩いていく。
半分くらい歩いたところで、カイスがしゃべりだした。
カイス「ヒーズ、貴様のコールドソードの調子はどうだ?」
ヒーズ「コールド・・・これか。まずまずだな。」
カイス「そうか・・・・私のこの剣は、錆び付いてきてる・・・次の街に有名な刀鍛冶がいる。是非、研いで貰え。」
そういったきり、街に着くまで、誰も、何も話さなかった。街についてからは・・・・ホワイトが、喜びの声をあげた。
ホワイト「すっげ!菓子がいっぱいあるぜ!」
カイス「余分な金はないぞ。・・・といっても、私も小腹が空いたな・・・よし、着いて来い。」
そういわれて、ホワイトとヒーズは、路地を抜け、丘を登り、やっと到着した。
息切れしているホワイトとヒーズに対し、カイスはどこか喜んでいるように見えた。
ヒーズ「・・・・・ここ?」
カイス「そうだ。ゆくぞ。」
キィィィ、と、重たそうで頑丈な柵を開け、中に入った。
そこは、塔の屋上から見た、あのドでかい大豪邸だ。
ホワイト「なにがあるんだよ?」
カイス「まあ、見ていろ。」
フフ、と、笑ったカイスだったが、ホワイトには不気味に思えた。
ドアの鳴り鐘、いわゆるチャイムを鳴らすと、ドアを開けて、なにやらピュアのチャオが出てきた。
ニュートラル・オヨギ・オヨギのようだ。
???「あら、カイスさん。どうぞ、おあがりください。」
カイス「失礼する。」
中に入ると、暑い外に対して、そこはとても涼しかった。
大広間のドアを開けると、そこには、二匹のチャオが居た。
一匹は赤い、ダーク・ハシリ・ハシリのチャオだろう。背に、四本も剣を背負っている。
もう一匹は、緑色の、ニュートラル・チカラ・チカラのチャオだ。
大広間には、エアロ・コントローラー・・・つまり、通称、エアコンが掛かっている為か、涼しい。
疲れが取れていくようである。
今、入ってきた扉から、さきほど迎えに出てきたピュアの、ニュートラル・オヨギ・オヨギのチャオも入ってきた。
カイス「紹介しましょう。こちらは、私をこの旅に「連れてきた」張本人、ホワイト・ザ・ラシアロストです。」
ホワイト「宜しくなっ!って、こいつ等誰なんだ?」
カイス「こちらが、そのたび仲間、ヒーズ・フローツ・カーラットです。」
ホワイトの質問を無視し、カイスが続けた。ホワイトは歯を食いしばっている。
その時に、まず、ピュアのニュートラル・オヨギチャオが動いた。
ビィレ「こんにちは。ビィレと申します。」
スパラ「おう。カイス、久し振りだな。で、連れか。俺ぁ、スパラ・ネイ・ライラルだ。宜しくぅ。」
ヴァルサ「ヴァルサ・ネイ・ライラルだ。宜しく頼む。」
カイス「「兄上」、頼みがあるんですが・・・・」
「兄上」、確かにカイスは、ヴァルサに向けて、そう言った。
確か、カイスの苗字は「トラバート」だったはずだ。
ヒーズ「兄上、ということは、どういうことだ?」
ヴァルサ「ああ、俺は違う職業で、この「苗字」になったんでな。―質問OK?」
見事に、的中「された」。相手に、自分の意思を読まれている。
カイス「宜しいでしょうか?」
ヴァルサ「ああ。いいぜ。スパラ、後でちょっと地下に来い。で、お前等はどうするんだ?」
腹筋・・・といっても、大した腹筋ではないが。それをしながら、ヴァルサは聞いた。
誰が答えるのかわからなかったヒーズは、答えようとしたが、ホワイトの声でさえぎられた。
ホワイト「食べたい、寝たい、座りたい。」
スパラ「面白い奴だなー。ビィレ、何かもってきてやりな。」
そういって、ビィレというチャオは入ってきた扉とは違う扉を開けて、出て行った。
ここは、どこなのだろう?疑問を胸にしまって、一晩を過ごした。
続く