第六話 組織対決
ワイ「連れてきましたよ。」
ここはバトル・ランド。組織を壊滅させるために、「ハント・ビレッジ」というところの情報で、ここに来た。
ここには、組織の支部があるという。
しかし、付いた途端、カイスが組織のものだと知ってしまう。しかも、その先には組織の者がいる。
カイス「久しぶりだな。ゼブル。」
ゼブル「お待ちしていましたよ。カイス殿。まさか私たちのスパイ役になってくれるとはね。」
ホワイト「スパイ役だと!?」
驚きを隠せないホワイトとヒーズ。「仲間」のはずが、組織の「スパイ」だったのだ。
ワイ「さて、三対二ですな。ゼブルさん。」
ゼブル「フッ・・・・君たちが勝てるわけない。諦めろ!」
ヒーズ「残念だが、僕はそこそこ負けるつもりはない。諦められないがな。」
カイス「その通りだ、ヒーズ。」
ゼブルの横っ面を蹴り飛ばしながら、カイスが言った。既にホワイトは混乱状態だ。
ゼブル「カイス・・・・裏切っていたか!」
カイス「当然だ。ホワイト、この先にこの支部のボスがいる。行け!」
ホワイト「お前はどうすんだよ!?」
カイス「私は―」
そこで少し区切って、目を瞑りながら言った。
カイス「私は大丈夫だ。この外道どもを倒す。」
ホワイト「必ず戻ってこいよ。ヒーズ!応戦は任せた。」
ヒーズ「元から承知済みだ。」
ニヤリと、剣に手をかけながら、ヒーズが言った。
ワイ「私は貴方と勝負しましょうか。ヒーズ・フローツ・カーラット。氷の剣を持つ者。」
ヒーズ「上等だ。受けて立つ!」
~ヒーズVSワイ編~
ワイは、黒煙で剣を作り出して、ヒーズに振り下ろした。そのスピードは、カイス並みだ。
何とか防いだが、弾き飛ばされてしまった。
ヒーズ「く・・・・」
ワイ「我が闇の力、拝むといい。ブラック・レーザー!」
剣を持つ右手と反対の、左手から、黒い光線が放たれた。今まで見た光線よりも大きく、速い。
ヒーズ「はあっ!」
光線を剣で受け止めると、その場に剣を突き刺し、光線を止めたまま、手袋をはめた。
ワイ「なにを・・・・?」
ヒーズ「フリーズ・ナックル!」
ヒーズの剣に向かって、拳をたたきつけると、剣ごと闇の光線が凍結し、ワイは身動きが取れなくなる。
そして、ヒーズはジャンプすると、空中からワイを殴りつけた。
闇の剣で防いだワイだが、闇の剣は凍結し、今では丸腰と同じだ。
ワイ「・・・・・私の負けか。」
ヒーズ「分かってるじゃないか。」
剣を抜きながら、ヒーズが言った。そして、勝負は付いた。
~カイスVSゼブル編~
ゼブル「裏切りの味を教えてやろう!」
ゼブルは黒い闇に包まれているので、姿が見えないが、動きは分かる。
壁伝いに動いて、翻弄すると、カイスに向かって飛び掛った。
だが、カイスは伏せて避けると、ゼブルを殴り飛ばし、壁に激突させた。
ゼブル「流石だな。」
カイス「お前とはわけが違う。」
ゼブル「だけど・・・忘れてるぜ。一つ!闇は覚醒する!」
ドォォォォォォォンという大きな音がすると、闇が、カイスを覆っていた。
カイスは吹き飛び、壁に叩きつけられた。
ゼブル「二つ!闇は裏切らない!」
残った闇が、ゼブルに加わり、再び放たれた。カイスは黒煙の中で腕を前にクロスさせ、耐えている。
ゼブル「最後!闇は・・・常に最強である!」
空中に浮かんで、闇を溜め始めるゼブル。カイスは・・・・・
カイス「兄上、どうしたのです?」
「いや、なに。ちょっと手合わせしようかと思ってね。」
カイス「はい!」
幼い頃、私は兄上の元で暮らしていた・・・・・よく、剣を突き合わせたものだった。
「やっぱりカイスは強いなー・・」
カイス「兄上様が修行をやっていないからですよ。」
ある日、いつも通り手合わせをしている時、私の剣が勝手に動いて―
兄上を・・・・・・・・
それ以来、私は、組織に入ってからも、一度も剣を使わなくなった。
あの、兄上が打ってくれた、最高の剣を・・・・・
ゼブル「終わりだ!」
カイス「・・・・相手の動きを見切り、集中し、一点を突く・・・・そして、すばやく動く・・・師匠直伝の剣技、見せてやる・・・」
マントの裏側の剣を一気に抜いて、持つカイス。ゼブルの放った闇に対峙している。
カイス「奥義―!!」
カッという光と共に、闇は消えた。ゼブルも、倒れている。
立っているのは、カイスだけだ。
カイス「八熱地獄・・・・・完璧な八熱地獄を極めたぞ・・・」
続く