第五話 隠された街
ガラララ・・・と、煙の中から、ザクリはハンマーを拾った。
悪巧みの多い町、ハント・ビレッジに到着したはずだったが、そこにはなにもなかった。
そこへ、組織のチャオ、ラントとベルゲムが現れ、カイスとヒーズで撃退する。
だが、新たな刺客、ザクリは、ホワイトと勝負し、一撃でホワイトは煙の中へと消えた。
カイス「ホワイト!」
ヒーズ「どうなったんだ?」
ザクリ「・・・・・・・・・・・・・・次は―
ホワイト「まだ終わっちゃいねーぜ!」
空から落ちてくるホワイトは、太陽の逆光で姿が見えない。
ザクリは空を見上げず、神経を集中させているようだった。
瞬時的に、ハンマーを上に挙げて、ホワイトの攻撃を防いだ。だが、そこにはホワイトはいず、剣だけだった。
ザクリ「・・・!?」
ホワイト「いっくぜー!ブルーライト・エネルギー!」
ホワイトがザクリの真正面から、青い光を放った。
至近距離の大砲を放ったみたいに、ザクリは吹き飛び、何かにぶつかった。
ホワイトは剣を拾うと、青い光に変えて、元に戻す。
ヒーズ「ホワイト、大丈夫か?」
カイス「なにをしたんだ?」
ホワイト「ん?へ、聞いて驚け。ハンマーが当る寸前に剣を解除して、青い光にハンマーを包み込んだ。それで、ハンマーを土台にしてジャンプしたんだ。」
ヒーズ「とっさの機転が働いた・・・見ろ!町だ!」
ザクリが「なにかにぶつかった」ところから、茶色いタイルの時計台が現れ、街の姿が現れた。
今、ホワイトたちは、街の入り口にいるようだ。
カイス「・・・・・隠されていたのか!」
ホワイト「ここで合ってたのか・・・」
ヒーズ「とにかく、情報収集だ。」
それからは、それぞれに分かれて、情報を集めることにした。
時計台の鐘が鳴ると、街の入り口に全員が集まった。
ホワイト「組織は支部に分かれてるらしいぜ。」
カイス「ここだ。」
地図の一点を指差しながら、カイスが言った。そこには―
バトル・ランド、と書かれていた。
ホワイト「怪しいな・・・」
ヒーズ「行ってみよう。」
そして、ホワイト一行は、東の地、バトルランドを目指す。
「なに?またやられただと?」
???「はい。申し訳ございません。」
「ぬぅ・・・なかなかのものだな。其奴等の情報を調べたか?」
???「はい。」
そういって、暗闇の中のチャオは、モニターに写るダーク・ヒコウ・チカラのチャオと対話している。
暗闇の中のチャオは資料のような紙を取ると、読み上げる。
???「ヒーズ・フローツ・カーラット。ラステ・カーラットとケイ・フローツの息子です。」
「他には?」
???「カイス・・・カイスだと!?あ、いや、失礼。カイス・トラバート。「無剣の兵士」で有名です。」
「続けろ。」
暗闇の中のチャオは、モニターの中のチャオに更に顔を暗くして、答えた。
???「以上です。」
「なに?報告書には「相手は三匹」とかかれてあったぞ?」
???「それが・・・もう一匹の情報は、この世界に存在しないので・・・」
「・・・成程、そういうわけか。それなら負けるのも納得がいく。」
と、モニターのチャオは立ち上がって、言った。
「奴等は今、どこに?」
???「ここへ向かっている模様です。」
「そうか・・・・迎撃の準備をしておけ、ゼブル。」
ゼブル「はっ・・・お任せを。」
ホワイト「ここがバトルランドか。」
ヒーズ「大きい町だな。」
カイス「うむ。早速、ゆくぞ。」
「待て!」
行こうとすると、武装したチャオに止められ、ホワイトが睨んだ。
「そなたらは・・・」
カイス「私だ。」
「失礼しました。カイス「隊長」、お通り下さい。」
何食わぬ顔でその場を通り過ぎていった。
ホワイト「カイス「隊長」?」
ヒーズ「城の兵隊のではないか?」
ホワイト「違う。ここらに城はねえ。あるとしたら組織の・・・
カイス「そうだ。」
いきなり話しかけられ、跳ね上がるホワイト。カイスが続ける。
カイス「私は、組織の隊長だ。だが、今では関係ないこと。さて、ゆくぞ。」
ホワイト「お、おう。」
その時、ホワイトたちの前に、黒煙に包まれたチャオが立ちはだかった。
目が、カイスからヒーズ、そしてホワイトへと移った。
カイス「貴様、ワイだな?何の用だ?」
ワイ「お前等一行をお呼びしろ、とのことだ。付いて来い。」
そのチャオの言われるがままに、後を突いていくホワイト一行。
一体、その先には何が待ち受けているのだろうか?
続く