第四話 三匹の『つかい』
ホワイト「あァ?!いつんなったらつくってェ!?」
カイス「うろたえるな!ここで合っているのだ!」
ヒーズ「ホワイト、冷静になれ。この先は崖だし、地図にはそんな崖はないんだぞ。これは―」
彼らは全世界を支配している組織を倒そうとする、旅者。
とある街で「カイス」という仲間が加わり、次は「ハント・ビレッジ」という悪巧みだらけの町にいこうというものの・・・
地図の正確な場所はここなのに、見当たらない。
ホワイト「大体な、その地図が古すぎるんだよ!」
カイス「たわけっ!そんなはずはない!」
ヒーズ「みんな!あれを見ろ!」
サッと振り返ってみると、上空に二匹のチャオが浮かんでいる。
間違いない、組織のチャオだ、と確信した時、そのチャオ達が降りてきた。
???「なんだ、ガキどもではないか。」
????「ボス直々の命令だっつーから、どんな奴等かと思ったら・・・」
ホワイト「なんだてめぇーら?」
ラント「俺はラント。そしてこいつがベルゲム。お前等を抹殺しに来た奴等さ。」
黒い光で構築された、両刃の刀を構えて言う、ラントという黒いもやがかったチャオ。
その隣に、ベルゲムという素手のチャオがいる。
ホワイト「よし、敵だな。ここは俺に任せっ―
ドスン!!という大きな音と共に、ホワイトの悲鳴が響いた。
カイス「ここは私らに任せてもらうぞ、ホワイト。」
ヒーズ「僕はこっちをやる。そっちは頼んだ。」
ヒーズはラントを指差し、僕が相手だ、といった。
続けてカイスが、ベルゲムの前に立った。
ヒーズ「僕が勝ったら、この街の秘密を教えてもらおう。」
ラント「勝てたらな・・・・」
両刃の刀を振り回して、ヒーズに向かうラント。
先程の託された剣を取り出して、鞘を抜くヒーズ。
両刃の刀はヒーズの剣と触れ合っただけで凍った。
ラント「な!?」
ヒーズ「氷の剣だ。覚悟しろよ・・・肺の底から凍らせてやる!」
一方、カイスとベルゲムは未だににらみ合っている。
カイス「ゆくぞ。はっ!」
ベルゲム「闇の盾!」
カイスの拳は黒い煙で出来た盾で防がれたが、盾はバキッと真っ二つになった。
とんでもない力だ。
ベルゲム「・・・・闇の―
カイス「遅い・・・・擬宝珠(ぎぼし)!!」
物凄い勢いで、ベルゲムの腹に右手の突きを喰らわせる。
ベルゲムは一気に五メートルは吹き飛んだ。しかも、気絶している。・・つまり、勝負は付いたのだ。
ラント「ベルゲムの相手、やけに強いな・・・」
ヒーズ「よそ見すると、怪我をするぞ!」
剣を振り下ろして、ラントの右手は凍った。
両刃の刀が地面に落ちて、更に凍りついた。
ラント「・・・馬鹿目。闇の力を思い知れィ!」
ヒーズ「氷結・・・・核弾刀!」
ラントが両手を挙げる寸前、氷の刃で回転切りを喰らわせた。
すると、ラントは上空へ吹き飛ぶと同時に、凍っていった。
ヒーズ「僕の敵ではなかったな。」
カイス「ヒーズ!後ろだ!」
ガアアアアンという音が鳴って、ヒーズは地面に着地した。
巨大なハンマーを持った、ニュートラル・チカラ・ハシリのチャオを、ホワイトが剣で防いだ。
ハンマーとぶつかり合っても、ホワイトの剣は壊れなかった。
ホワイト「お前、誰だ?」
ヒーズ「ホワイト!いつの間に?」
ザクリ「俺は、ザクリ・・・・・・・・・・・・・・・」
それ以上何もしゃべらずに、ザクリというチャオはジャンプした。
とっさに、ホワイトもジャンプして、剣を振り下ろした。
ハンマーで受け止められると、そのままホワイトは弾かれて、地面に落下する。
ホワイト「馬鹿力だな・・・!」
ザクリ「・・・・・・・混沌の・・・・ハンマー!」
カイスがホワイトを殴り、気絶させた時のような、鈍い低い音が鳴り響いた。
ホワイトの腹に、ハンマーが直撃したのだ。しかも、ハンマーには黒い光と白い光が混ざっている。
ヒーズ「一体、何者だ?」
カイス「おそらく、組織のチャオだろう。ゆくぞ、擬宝―
ホワイト「手を出すな!」
叫んだ時の気迫が凄くて、カイスは動きが止まった。へらへらと笑いながら、ホワイトが立ち上がった。
ホワイト「俺の敵だ。絶対に・・・勝ってやる!」
ザクリ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
無言でザクリはホワイトの快進撃を受け止め、重そうなハンマーを軽々と振った。
だが今度は、ホワイトが避けて、ザクリの頭を蹴り飛ばした。
ヒーズ「凄い・・・」
ザクリ「・・・・・・・・・・・・混沌の・・・ハンマー!」
ホワイト「だああああ!!!」
剣で、ハンマーを受け止めるホワイト。持ちこたえている。
遂に、ハンマーを弾き飛ばした。
ホワイト「っしゃァ!」
カイス「上だ・ホワイト!」
ザクリ「聖魂・・・・・・」
ハンマーの白い光が増大して、上空から落ち、回転しながら、ホワイトをたたきつけた。
波動が周囲に散り、風で砂が飛ぶ。ホワイトはどうなったのか・・・?
続く