第二話 風塵の道
ホワイト「うわっ!全然、街とかねえや!」
二匹は今、「風塵の道」というところにいる。
彼はホワイト。赤ピュアのHRR。
ヒーズ「それはそうだろう。あったら見てみたいものだ。」
彼はヒーズ。青色のDSSだ。
旅の目的は、「組織の壊滅」。今、全世界は一組織の手によって支配されている。
ホワイトは記憶がない為に、たまたま遭遇しただけだったが、ヒーズは、組織の手によって、両親を亡くしてしまった。
それが、原因だ。
ホワイト「ん?なんだ・・・・なんか近づいてくるぜ!」
ヒーズ「馬鹿ッ!あれは組織のやつだろう!」
空高くを見上げながら、ヒーズが叫んだ。
とっさに、ホワイトとヒーズは身を伏せた。―間一髪、頭の上を、黒い光線が通り抜けていった。
ホワイト「いきなりなにしやがる!」
???「ハァ~ア・・・こんな奴らを始末すんのかい?やんなっちゃうな!」
もう一発、ホワイトに向かって闇の光線を放つが、ホワイトは横に避けた。
ヒーズ「僕もやるぞ!」
ホワイト「いいや、俺がやる。俺に向かってきやがった喧嘩だ。無論・・・買ってやるぜ!」
ソート「上等じゃないかっ・・・俺はソートだ。手合わせ願う!」
ソートの右手から放たれた闇の光線はホワイトを突き抜けたように見えたが、ホワイトは避けていた。
空中から、左手を突き出して、ソートに狙いを定めているようだ。
ホワイト「だああ!!」
一気に青い光を拡大させ、有体の剣にした。
すると、空中を蹴るようにして、ソートに近づき、剣を振り下ろした。
だが、黒い光で構成されている盾に、防がれ、弾かれてしまう。
ソート「お前みたいな奴は、弱い時からやるに限る!」
ホワイト「ふざけんな!」
ソート「ならば証拠を見せてやろう―お前が弱いという証拠を!」
闇の盾を、一つの剣にしたソートは、物凄いスピードでホワイトにむかった。
ホワイトは剣で防ぐまもなく、吹き飛ばされてしまった。
ヒーズ「ホワイト!」
ソート「くくく・・・これで終わりかな。」
ホワイト「まだ・・・だぜ。畜生。」
剣を杖代わりにして、なんとか立ち上がるホワイト。剣は青い光になって、消えた。
ソートは闇で構築された剣を更に巨大化させた。
ソート「弱い・・・弱いくせに出しゃばる奴は嫌いなんだよ!」
ホワイト「今から強くなるっつってんだ!」
左手に宿っていた青い光が増大して、ソートに向かって放たれた。
ソートはそのまま青い光に飲み込まれ、倒れてしまった。
ヒーズ「な・・・・やったじゃないか!」
ホワイト「ふう・・・・まさかこの光にあんな威力があるとはな・・・よしっ」
気合を入れて、シャキッと立ち上がると、倒れているソートを見送り、歩いていった。
ヒーズ「多分、もう少しで街が見えるよ。」
ホワイト「ああ。・・・(さっきのやつは・・・ありゃ一体・・・?)」
ホワイトが考えていると、目先に大きな町が見えてきた。
オレンジ色に染まった、綺麗な町だ。
ヒーズ「ほら、街だろう?」
ホワイト「よし、決めた!」
いきなり大声を張り上げたので、ヒーズは驚いて一歩退いてしまった。
不思議そうにヒーズを見るホワイト。
ホワイト「どうした?」
ヒーズ「急に大声を出すなよ。」
ホワイト「ああ・・・・いいか?さっきのは多分、「技」だ!」
ヒーズ「技?」
小さく頷いたホワイトは、小枝を拾って、地面になにか書き始めた。
ホワイト「俺がさっきやったのは、青い光線。それは、俺の「能力」からできる、「技」なんだ。」
ヒーズ「でも、「技」ってのは、どうやればいいんだ?」
ホワイト「俺は無意識にやったけど、イメージして、力を込めればいいんじゃないかな?その為に俺は名前をつけた!名づけて、ブ―
???「貴様ら、誰だ?」
突如現れたそのチャオは、街から来たようだ。
真っ黒なフードを被り、マントを羽織っている。
表情はオレンジ色の顔つきと、茶色い目だ。
ヒーズ「お前こそ誰だ?」
カイス「私はカイス。貴様ら、組織の奴等だな?」
ホワイト「あァ!?俺らは組織を倒す為に―
カイス「問答無用!組織の奴等は、斬る!」
技と、能力の関係を合致したホワイト一行だったが、謎のチャオとの接近で、戦うことになってしまった。
一体、こいつは誰なのだろうか?
続く