usuallside~その4・仲間~
「なあ、本当に大丈夫なのか?」
「たぶんね」
ユージャルとチャイルは普通に道を歩いていた。ユージャルは木製のナイフを腰にくくりつけて、チャイルは背中に木刀を背負っていた。
川に沿って二体が歩いていくと、大きな橋があった。
「確かこの先には大きな町があるんだったよな」
「うん。名前は忘れたけど。とりあえずそこに行こうか」
「あそこも村みたいになってないといいけど」
橋を渡るときにチャイルが言った。
二体はまた川に沿って歩いていった。
もう日も傾き書けた頃、二体は大きな町に到着した。
正確には、廃墟と化した、元大きな町に。
「どーするよ」
「どーするといわれても・・・」
何か、生き物の遠吠えが聞こえた。
「入るのは危険だね。・・・確か向こうに大きな池があった気がする。今日はとりあえずそっちに行こう」
「何で?」
「山を越えた方が良さそうだから。池から山向こうの町まで川が流れてるんだ」
「ふーん」
二体は池の方へと向かった。
池についた頃にはもう日もとっぷり暮れていた。
池には先客がいた。白ピュアのヒーロー・ハシリチャオだ。木刀を抱えて、火をおこして、居眠りしている。
「ユージャル、どうする?」
「どーすると言われてもなあ・・・。とりあえず、起こして話を聞いてみよう」
ユージャルはそのチャオに近寄った。
すると、ぴくっとしてそのチャオが起きる。
「誰だ!」
そのチャオは木刀を構えた。
ユージュアルは落ち着いた様子で話しかける。
「こんにちは。と言っても、もう夜か。僕はユージャル。ユージャル・ウイング。で、あっちはチャイル・ランナー君の名前は?」
「僕?僕はチャイル・エストローク」
「名前同じだね、チャイルと」
「父さんと母さんの名前を足してつけられたんだ。僕の名前。父さんはチャイエル、で、母さんはチャルカ。ちなみに名前つけてくれたのはノルン」
「ノルンって?」
「ノルンは僕の父さんの友達。父さんといっしょに村を守ってたんだ」
「『守ってた』?」
「僕が旅立った日・・・黒マントの奴らが来て村を破壊したんだ」
「?!」
「僕達と・・・同じだ・・・」
「君たちも?仲間だね。っていってもいやーな仲間だけど。君たちは何で旅をしてるの?」
「僕達は・・・ネイトを助けるため。あと、あいつらを一発ぶん殴るため、かなキミは?」
「僕?僕はいろんな所を回って、外の世界を見るため、かな。元々、そのために旅に出たんだもん。その後、村に帰ってまた村を再建する」
「ふーん・・・偉いんだね」
「そうかな?でも、ノルンの方が偉いんだよ。世界を回って、孤児になっちゃったチャオとか、捨てられたチャオとか、何らかの理由で村やら町やらから追い出されたチャオや生物を村に引き取ってたんだから」
「なんかすごいね・・・」
「そういえば、これからどこに行くの?僕はこれから川をたどって向こうの町に行くつもり」
「僕らも同じ」
「じゃあ、その町までいっしょに行こうよ。旅は道連れっていうでしょ」
「いいよ」
……………………………
こうして、チャイル・エストロークが仲間に加わったのだった。
ウレシイコト。