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同じ形で、再現された。
確かに、一回聞いただけだ。レナルドはその異様な謎に気がついた。なぜか、二回言ってしまっている?
その様子を見て、鏡が口を開いた
鏡「ここはレナルド、君が心の中で描いた恐怖の場なんだ
今一番恐怖に思っているところ。それがここなんだ
お前は僕の正体を知ろうとした。何よりも先に。君だけは違うと思っていた。
いや、他にも候補は何人かいた。この「恐怖」のリセットを止めてくれる人が。
僕は普通のチャオじゃない。自分で自分の何かを取り払おうとしてただけだ
恐怖は繰り返すんだ。一生続く。そして、伝染する。
誰が何を思い浮かべようが、僕に対する心が荒んでいるようではリセットは止まらない。
誰か1人、自分の特別な人じゃなくて良い。そんな無関係の人のために命を張れる。
そんな人が、欲しかった。」
鏡のその説明は、レナルドにはほとんど理解できなかった。
だが、自分に対する敵意が無いことはわかった。そして、無差別にこの能力を発動していることも。
きっと、他のチャオにもこんな思想を話しているのだろう。もはや宗教レベルじゃない。
黙って理解しようとしていたレナルドに、鏡は続いて説明する。
鏡「チャオは何かしら能力を持っているんだ。
それは、成長を促進させるものであったり自分の能力の向上に大きく関わるものであったり。
僕のように、特殊なものを持つものも稀にいる。だが、共通して持っている能力があるんだ」
鏡「それは、恐怖を乗り越え、次に繋げようとする精神さ」
レナルド「さっぱりわからない。結局、何を望んでいるんだ?」
レナルド「さっぱりわから…」
レナルドに、またこの現象が起こる。
鏡「能力の説明をして今の世界をリセットしよう。そして、生まれ変わるんだ。
君が最後だ。」