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鏡の中のレナルドは喋り始めた
「全て安全な道を通っていた。一つ間違えたのは、アレックスを放置したことだ」
レナルドは聞き入った。
「僕は線路の上にいた男さ。君の姿になっているのは君が見ているからさ」
疑問だった。なぜ喋りだす?さっき思わなかったのはなぜだ?
自分自身にも、この鏡にも疑問を感じた。考えている間も無く、鏡は喋りだす。
「この能力の説明を始めようか。実はね、これは人の在るべき姿を見ているんだ」
能力。このキーワードにピンと来た。
「人は助け合って行かないとね。ヒーローだからダークだからって関係ない」
わかる気がする。
「まず、火種は僕の死。そこから、それを見ていた人の中で一番心の汚れている人が死ぬ」
死んだ後もなお発動する、能力。レナルドは言葉を失っていた。
「そこから死は伝染していく。電車の発進を最優先にする駅員がすぐ死んだかな」
死んだのに確認できるのか?謎が…
「人命救助を優先としなかったから皆死んだんだ。そこだけは事実だ。」
確かに、途中から原因を探ったりして死人をなんとも思わない感情になっていった。
「だから死んだ。だからこの世をリセットした。それでも、ここは終わりだ」
レナルドが始めて口を開く。
レナルド「一体、あんたはなんなんだ?」
レナルド「一体、あんた…」
決して、レナルドが二回言ったわけではない。何らかの原因で、二回言ったような形になっているだけだ
続いてもう一度、心の底から聞きたかった疑問を投げかける
レナルド「……なんなんだここは。なんなんだあんたは。」
レナルド「なんなんだここ…」