三章 わくわく!街へ行こう!4
お店を出てから30分は経ったというのに、まだ口の中は甘さでいっぱい・・・
やっぱり天使のプリンを選んでいてよかったよぉ~
特に翼を象ったあのホイップクリームが忘れられない・・・
もう一度・・・たべたい・・・
レア「あっ!お互い名前まだ聞いてなかったんだね 私はレア。」
「そ・・その・・・リンネです。」
恥ずかしがりやなのかその場で蹲っちゃった。
・・・そういえば・・・さっき・・・・・
誰かと似ているとか思ったけど・・・
誰だっけ?
まぁいっか!
レア「もう少ししたら皆集まると思うよ」
リンネ「あっ・・は・・はい!」
どうも歯切れが悪いなぁ・・・
やっぱりプリンよりもクレープのがよかったかなって後悔しているのかも・・・
パラディ「レア!・・・と、この方は?」
いつもよりも目をまんまるにして聞いてくるパラディ。
やっぱりわかんないよね!初めて出会ったんだし・・・
レア「えっと・・この人がリンネさん」
リンネ「えっと・・・リンネです・・よろしく・・・」
ローブを羽織ったままうつむくから顔が見えにくい・・・
でも確実に緊張してるよね・・・
パラディ「もしかして・・・この人がディラさんが言っていた・・」
ピンナ「ディラさんを知っているのですか?!」
うつむき状態からいきなりパラディの方に視線を向ける。
あっ・・そうだ!ディラさんの雰囲気だったんだ!忘れてた~
でもやっと見つけられたというのに目はそこまで喜んでいない。
喜びと悲しみが入り混じったような・・・とにかく変だなぁ・・・
パラディ「やっぱり! でもよくわかったね!」
レア「へ?」
パラディ「だって、会ってもいないのにちゃんと見つけて連れてくるんだもん!」
そういえば・・・私は勘でプリン食べたそうだから一緒にいただけなんだけどなぁ・・・
・・・結果オーライ?
でも何かあの時そんな気がしたんだけどなぁ・・・
この人はアタリだって!
パラディ「・・・・あれ? もしかして・・・・あれって・・・・・」
遠くの方の異変に気づいたのかな?
目をほそめて・・・いったい何が見えるんだろう?
レア「・・・・シェアだよね?」
リアカーでゆっくりとこっちにやってきているシェア。
一見、野菜を売っている農家の人って感じだなぁ・・・
それにしても・・・お兄ちゃんがいないよね・・・
ゆっくりとこっちに近づいてくる。
ときどき見知らぬ他人が話しかけるやすぐ去っていくけど絶対野菜売りのリアカーと間違われてるね
シェア「・・・本当に重い!」
辿り着くや不満の意を表すシェア。
確かにこの本の量ならリアカーで引っ張っても重いのは納得できる。
レア「ところで・・・お兄ちゃんは?」
シェア「あいつとは途中ではぐれちゃったわよ!」
運んできた時よりも語勢が強くなった。
顔は不満の一色で染まっている。
今のままでは別の色にそう塗り替える事はできないね・・・
パラディ「姉さんと喧嘩して途中で別れた・・・って事だね」
そっと私の耳元で呟いた。
レア「わかるの?」
私の問いにすぐさま笑顔で頷いた。
本当にはぐれたと思ったのに・・・
シェア「ところで・・・どちら様?」
その後・・・
路上で色々と話し込むのも面倒だってシェアがいうから一旦家に帰ることに決めた。
パラディは・・・
「持って帰っておいてね~♪」
というシェアの命令でリアカーを自宅へと運んでいく役になった。
女の子が三人だけだと少し危ないような気がしたけど・・・何のトラブルもなく帰ってこれた。
でも・・・
お兄ちゃんは今頃どこにいるんだろう?