三章 わくわく!街へ行こう!2
パラディ「僕は・・・どこ行こうかな?」
とりあえず皆と別れてみたのはいいけど予定がない。
やっぱり姉さんやミディと一緒に荷物運びを手伝っておけばよかったかな?
結構大変なんだよね、姉さんすごく買うから。
二ヶ月位前の事を思い出してみる。
あの時はミディがいなくて僕が姉さんの荷物持ちをやらされたんだけど・・・
本とは思えないくらい重かったのを覚えている。
パラディ「でもミディはとても強いから大丈夫だよね!」
とはいってもやる事がないからなぁ・・・あっ!
目に留まったのはでかでかと店の前に飾られてあった大剣。
武器屋であることはいうまでもない。
とりあえず今は武器なんていらないから・・・
パラディ「やっぱり修行をしよう!」
脳裏の中にあの時の出来事がよみがえる・・・
あの時レアに助けられて少し嬉しかったけど・・・
やっぱりこんなのじゃあ駄目だ!
僕がレアや姉さん達を守らないといけないんだ!!
そう思いながら僕はいつもの所へ行っていた。
港の波止場。
ここはいつも僕が稽古をしている場所・・・
とはいっても剣の素振りをしたりとかそれくらいしかできないけどね・・・
パラディ「ふぅー・・・ えい! やぁ! たぁ!!」
こうしていつもと同じように素振りを繰り返す。
ここは景色も良いし、人に見られる事もない。
潮の香りも心地良くてここはお気に入りの場所だ。
よし。 練習を続けよう!
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ふぅ・・・もう一時間は経ったかなぁ・・・?
体を動かす事と直射日光を浴びていたことからかなり汗をかいている。
もうこの辺りで切り上げたほうがいいかな。
パラディ「ん・・・?臭っ!?」
潮の香りからいきなり異臭が漂いだす。
これって・・・お酒の臭い?
周りを見渡すと酔いつぶれてる人を発見した。
一升瓶を両手に抱えて頬はお酒で真っ赤っ赤。
・・・このままほおっておけないよね?
パラディ「あ・・あの大丈夫です・・・か・・?」
僕の呼びかけで何とか目を開けてくれたが、いつ寝るかわからない。
「ん・・あぁ・・・?ばれば・・えめぇわ?」
・・・舌が回ってない。
パラディ「お水持ってきましょうか?」
「ふぁ?」
パラディ「お水! 持ってきましょうか!?」
「るるふぇぞ・・・オれハララツノくミヲてイハしたおトこぉ・・・」
パラディ「駄目だこりゃ・・・」
引きずって宿屋にでも泊めてあげようかな?
でも・・・勝手に移動させたら怒るかな?
それよりもこの人重そうだな・・・
「おい!何してるんッスか!」
パラディ「ひっ!!」
後ろからいっきなり声をかけられたのでつい頼りない声を出してしまった。
振り返ってみると自分よりも小さな少年が立っていた。
買い物をしてきたであろう袋がところどころ濡れている・・・
お水でもあったらいいんだけどなぁ・・・
「お前!キャプテンに何かしたんスか!」
パラディ「いやいや全然何にもしてないよ!!」
ここに寝てる人と僕ならこの状況でも負けるよ!
しかしこれ以上情けない事も言ってられない。
「ぬぁんだぁ・・・ほめぇ・・・か~」
よく名前が聞き取れなかった。
とりあえずこれで二人は知り合いであることは明確だ。
パラディ「あ・・・じゃあ僕もう行くよ!」
「あっ!ちょっと待てッス!」
後ろから待てという声が聞こえていたけど・・・
とりあえず怖いから逃げます。
今までにない速さでこの場を走り抜けていった。