二章 ぼろぼろローブの来訪者3
ミディ「あぁ・・・そう、行き倒れかぁ~」
パラディ「行き倒れなら安心だね」
ほっと俺もパラディもホっと胸を撫で下ろす
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だめだろ!
自分の家の前に死体もどきが転がってたらそれこそ変な目で見られる。
家は確かに他の民家から離れてるから見られにくいけど・・・いやそういう問題じゃあなくて・・・
ミディ「なんでまた俺の家で・・・?」
しかしただの行き倒れならまだ楽な方だ。
以前はあの二人のおかげで小火さわぎを起こした事もあったし・・・
今更あの二人が誰であるかは思い出す必要もないだろうな・・・
おかげで常人が発狂したくなるような事が平然と流せる程になった。
今もこうして行き倒れてた人を無言でベットに運んでいるしな。
・・・それでも昨日の賊には心底驚いた・・・死にそうにもなったし・・・
あっ・・パラディが両手を両頬に合わせて口を大きく開けている。
・・・あんな感じの絵画をどこかで見たかなぁ?
とにかく・・・
ミディ「今回は良かったけど次からは確認もせずに開けるなよ?子どもじゃないんだから」
レア「え~!?私もう大人だもん!」
ミディ「静かにしてやれよ。背負っているのは怪我人なんだから」
下半身を引きずりながら自分の部屋へと連れて行く。
とりあえず衰弱してるっぽいからまずはちゃんとした場所で寝かさないと・・・
後ろからレアが何か言ってるな・・・
あっ! ・・・そうだ!
少しドアを開いて二人の状況を見れるようにする。
後は気になったら見るだけだ。
会話は聞こえるし・・・前々からのシェアの予想が当たっているか確かめられる。
レア「も~お兄ちゃんったら・・・私、もう15なのに~」
パラディ「・・・」
レア「ねぇ?パラディ 私って大人のレディーっぽいよね?」
パラディ「・・・え? 僕は・・・・・・・・・・・・・・・オモウ・・・」
俯きながら最後に呟いた。
少し顔が赤くなっている。
レア「わーい!だからパラディ大好き~♪」
と頭のポヨをハートにしてパラディに勢いよく抱きついた。
これがパラディの引き金を引いたのか急速に顔が真っ赤になっていく。
頭のポヨの形も不自然な・・どこかの芸術家が作った作品みたいになっていく・・・
あっ・・・頭から煙が出た。
怪我人もベットに寝かしたし・・・
まだ頭がショート気味のパラディに近づいて一言囁く。
パラディ「・・・・・・えぇ!? そんなこと!」
ミディ「良かったな!」
肩を叩きながら意味ありげな笑みを浮かべ俺はさっさと持ち場へ戻る。
リビングの片隅では先程から見かけなかったシェアの姿が。
俺と同じ意味ありげな表情でパラディを見つめる。
パラディ「二人とも・・・・・ちょっと待ってってばぁ!!」