二章 ぼろぼろローブの来訪者2
ミディ「なぁ・・・まじでもういいだろ・・・」
シェア「まだ肝心な所読んでないじゃない!」
ミディ「わかったって・・・」
まじで気分悪いけどとりあえず読み続ける。
魔法の種類について
魔法には幾つかの大まかな種類がある。
「理魔法」 「因果魔法」 「救済魔法」の三つだ。
チャオは生まれた時からこの中のどれか一つに属している。
魔道に目覚めた時、初めて自分がどの魔法に属しているかを知る
そして属していない魔法は使用する事ができない。
例 理魔法に属しているAは 因果魔法 救済魔法を使う事ができない。
これは現在確認されている種類であり、今後も研究が続けば新たな魔法が発見されるかもしれない。
理魔法とは・・・?
通称 基礎魔法とも呼ばれ、歴史も古い。
自然界に起きる 炎、雷、水、風、地・・・・・といった属性魔法と呼ぶ物はここに分類される。
魔道師の中でもほとんどの者が理魔法の使い手である。
さらに理魔法でしか見られない大きな特徴。
それはこの中からさらに得意な属性によって分類されていくことである。
例 同じ魔道師でも氷属性が得意なA 炎属性が得意なBもいるということ
しかし上記のは得意なだけであって理魔法に分類される他の属性も使用は可能。
例 Aは氷属性が得意だが風や雷も使える。
しかし氷ほど威力や精度も強くはない
因果魔法とは・・・?
理魔法と同じく古い歴史を持つ魔法。
歴史に名を残した呪術師は皆、この魔法を使ったとも言われている。
因果魔法は闇、時、呪い 心といった物事を操る事ができる魔法。
理魔法はあくまで自然界における一部の出来事を操る魔法に対して、こちらは生物が決して抵抗する事のできない絶対的な「力」を持つ魔法である。
理魔法と比べたらその力の差も絶大なものである。
しかし因果魔法に属する者はなかなかいないというのも現状である。
救済魔法とは・・・?
一度その存在が忘れ去られた魔法。
約五十年前に調査団が発見した遺跡の古文書でその存在が確認された。
それによると約二千年前、ある人物が使用したのを最後に途絶えたとされている。
そしてその古文書の発見と同時に各地で救済魔法を使う魔道師が現れ始めた。
これが救済魔法のルーツである。
救済魔法は現在 治癒の能力しか発見されていない。
肉体に受けた傷を回復させるものだが魂や精神を癒す事はできない。
これは術師に負担があり、多用する事は術者にとって危険である。
この魔法は発見されてからの歴史が浅い為、更なる発見が期待されている魔法であり、学者達もこぞって研究をしている。
とりあえず読み終えた本を閉じる。
そして一旦上を見上げて溜めていた重い空気を吐き出した。
本を裏返してみると、本の値段が小さく書いていた。
¥30000C
ミディ「高っ!! なんでこんな馬鹿みたいな値段つけるんだよ!」
レア「え~?いくらいくら・・・30000C(カラット)!?」
馬鹿みたいな値段。
ここいらなら約二ヶ月は過ごしていける金額。
それくらい魔法には金がかかる・・・
魔道師になれる人物ってのはそれこそ王族や貴族。
それ以外はあまり少ないが・・・成功した商人くらいだろう。
魔法を教えるといったシェアとパラディの親父さんは魔法を習う為の費用を出せる数少ない裕福な人。
その分俺達は父も母もいない。
災害で俺達二人を残して死んでしまった。
だから魔法がどうとかの前に生きる事に専念だった。
まぁ幸いシェア達の親父さんが食料とか必要な物を分けてくれている。
それでも裕福ではない。その供給が断たれたら・・・と思うと・・・・・・
これ以上思っても、ろくな事がないな・・・
ゴト!
ドアがやや乱暴な音を出した。
ノックにしては強い叩き方。
今日はべつに天気も荒れてないから風って事はないだろう。
ミディ「誰か来たのか?」
パラディ「ちょっと!」
ドアノブに手をかけた所をパラディが引き止める。
パラディ「外にいるのは敵かもしれないんだよ!? もっと用心に・・・」
ミディ「一理あるな・・・」
レア「は~い!誰ぇ?」
パラディが言った事をいともスルーしてドアを開けたレア。
レア「お兄ちゃん!行き倒れだよ!!」