~月編~第六十四話 乱の試練 宝の試練
ムーン達は、二つ、三つと試練をクリアし、先へ進む。
バレム「ここら辺には聖気が感じられるのう。」
先程と違い、辺り一面、光でぼやけている。
ガルズ「気を抜くな。こういうときに、ピンチは訪れる。」
その言葉は小さくて聞こえづらかった。
ティル「又扉だ。一体いくつあるんだろう?」
(やぁ。僕の扉の試練を受けにきたのかい?)
やはり、言葉は小さくて聞こえにくい。
ゼイン「あぁ、そうだ!」
(じゃ、はじめるよ。乱の試練)
ムーン「乱の試練?」
首をかしげたムーンは、一人考え込む。
(いわゆる闘いさ。だが、ちょっと違う方法でね。さぁ、でておいで。)
扉の上のほうから、チャオにしては程遠い、機械装備したチャオが現れた。
バレム「鎧・・か・・・ワシが受けて立とう!」
機械チャオ「チャオ~(じゃ、ルールを言うよ。)」
機械チャオから聞こえる声は、さっきの扉の声だ。
ガルズ「闘いにルールなどあるのか?」
機械チャオ「チャウ(もちろん。いい?この僕の装備する機械を壊せば君らの勝ち。)」
ティル「つまり、先にその本体を倒しちゃ駄目なの?」
いまだに考え込むムーンの後ろから、ティルは言葉を発する。
機械チャオ「チャ!(そのとおり。いくよ!)」
機械チャオは、手に装備した鉄の腕で、バレムにつっこむ。
バレム「久しいのう。こうして向かい合うとは。だが、この勝負いただく!」
背中にしょっている、異様な剣を、バレムは取る。
機械チャオ「メタル・アーム!」
鉄の腕で、バレムを殴り飛ばす。
バレム「速攻で決める。爆・斬!(ばくざん)」
異様な剣を振ると、機械の鎧は吹き飛ぶ。
(なるほど、君の勝ちだ。どうぞ通って。)
ムーン「すごい。爆発で鎧を一気に吹き飛ばした。」
ガルズ「通らしてもらう。」
今回は声が聞こえなくなった。扉を開けると、黒チャオが何匹もいた。
????「貴様等・・何しに来た?この先にある宝は渡さんぞ。」
ティル「たからぁ!?」
目を輝かせて言うティルとは逆に、ガルズは軽蔑している。
ガルズ「ならば、扉はもう無いと?」
????「扉?私等が壊させてもらった。」
奥を見ると確かに扉は壊されている。
ゼイン「ヘ・・扉がねえんならおめえらを倒すまでだな。」
フュルン「私の名はフュルン。覚悟しろ。」
ガルズ「ここは俺に任せろ。」
ガルズは一歩前に出る。
フュルン「誰が相手でもよいぞ?はっ!」
手に溜めた衝撃波を、フュルンは飛ばす。
ガルズ「伝説の武具・・・雷電銃!稲妻弾!」
雷電銃の銃口から、電撃の塊が飛び、衝撃波を貫くと、フュルンに命中する。
フュルン「く・・・宝が・・・・」
ティル「先に行かせてもらうね♪」
ムーン「おつかれさまぁ!」
そして、壊されている扉を抜ける・・・
続く