第26話「チャサリンの試練」後編
チャサリン「ファシファ?」
私は心配になって、ファシファに近づいてみた。
ファシファ「・・ふふふ・・・。引っ掛かりましたね。」
チャサリン「えっ!?」
ファシファが急に立ち上がった。
ファシファ「いきますよ!゛シャドウウィング〝!」
私は避けようとしたけど、遅かった。
ファシファが出した衝撃波を受けた私は、後ろの壁に叩きつけられた。
はぁ・・・。私はファシファの作戦(かどうかは知らないけど)にまんまとはまっちゃったのね・・・。
ファシファ「まだまだ!゛ダークライトニング″!!」
私はその言葉に反応して、顔を上げた。私が見たものとは・・・。
チャサリン「・・・・!!」
自分の周りに、黒く、不気味に光る玉を数個浮かばせている、ファシファの姿だった・・・。
ファシファ「さあ!行きなさい!」
そう言って私を指した。
それに合わせて、ファシファの周りに浮かんでいた黒い玉が、私に向かって飛んで来た。
でも、私は座ったまま動かなかった・・・。
今避けようとしたって、絶対やられる・・・。私はそう考えたの。
ファシファ「チャサリン!?」
私のとった行動に驚きを隠せないファシファ。
でもね、私がそうやすやすとやられるわけ無いでしょ!
チャサリン「゛ウォーターシールド″!!」
私がそう叫ぶと、私の頭上に水球が現われ、私をすっぽり覆った。
水中・・・なんだけど、全然苦しくないんだよ。
そして、ダークライトニングを私のかわりに受けた水球は、何事も無かったかのように消えていった。
ファシファはその様子を見て、唖然としていた。
私が立ち上がると、ファシファが言った。
ファシファ「チャサリン・・・。私、貴方に勝てそうに無いです・・・。私の負けです、降参します・・・。」
そう言うと、ファシファはうつむいてしまった。
チャサリン「貴方も十分強いわよ。・・・逃げる事だって、時には大切なのよ・・・。やり切れなくなったら、逃げればいいの。そうしたら、またチャンスは訪れるから・・・。もし、無理して戦って・・・やられたら・・もうチャンスは来ないのよ・・・。」
ファシファ「・・・そうですね。逃げる事もいい事なのですよね!」
チャサリン「でもっ、逃げてばっかりじゃ駄目よ!・・・じゃあ・・、さようなら・・・。」
ファシファ「はい!いつか会える日まで・・・。」
本当、いつか会えると良いね・・・。
続く☆