第2話「猛特訓」
涙をこらえるテイルと、それをじっと見つめるエイミー。
そこに、一人の赤いチャオがやってきました。
「テイル、また負けちまったのか?」
彼はナック。
テイルやエイミーと同じ場所で生まれたチャオです。
「あのいじめっ子達、俺が見てないと思っていい気になりやがって…」
「…………」
「ごめんな、テイル。俺がしっかり見てなかったから…」
「違うチャオ。ナックは悪くないチャオ。」
「どういう事だ?」
ナックは、テイルの言葉に驚きを隠せない様子です。
「僕が…僕が飛べないから…あいつらにいじめられるチャオ。」
「………わかった。俺がお前を飛べるようにしてやる。」
ナックのその言葉に、
テイルは、頭のポヨを!マークに変えながら話を続けました。
「本当?本当に飛べるようにしてくれるチャオ?」
「ああ、本当だ。勿論、練習が必要だけどな。」
「それでもいいチャオ。僕は飛べるようになりたいチャオ。」
そして、翌日…
テイルとナックの猛特訓が始まりました。
テイルは、滝の近くにある岩の上に立ち、
ナックは、滝の下からテイルを見上げています。
「こ、怖いチャオ…」
「まずは助走をつけろ。そして、ある程度助走をつけたら一気に飛び出すんだ。」
「わかったチャオ。やってみるチャオ…」
テイルは後ろに下がり、そのまま走り始めました。
そして、そのまま飛んだ………と思いきや、
池に落っこちてしまいました。
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫チャオ。」
「恐怖心を持っては駄目だ。飛ぶのが怖いと思っていては、いつまでたっても飛べないぞ。」
テイルは、もう一度岩の上に登り、
助走をつけて飛び立ちました。そして…………
第3話に続く