第2話「猛特訓」

涙をこらえるテイルと、それをじっと見つめるエイミー。
そこに、一人の赤いチャオがやってきました。

「テイル、また負けちまったのか?」

彼はナック。
テイルやエイミーと同じ場所で生まれたチャオです。

「あのいじめっ子達、俺が見てないと思っていい気になりやがって…」

「…………」

「ごめんな、テイル。俺がしっかり見てなかったから…」

「違うチャオ。ナックは悪くないチャオ。」

「どういう事だ?」

ナックは、テイルの言葉に驚きを隠せない様子です。

「僕が…僕が飛べないから…あいつらにいじめられるチャオ。」

「………わかった。俺がお前を飛べるようにしてやる。」

ナックのその言葉に、
テイルは、頭のポヨを!マークに変えながら話を続けました。

「本当?本当に飛べるようにしてくれるチャオ?」

「ああ、本当だ。勿論、練習が必要だけどな。」

「それでもいいチャオ。僕は飛べるようになりたいチャオ。」

そして、翌日…
テイルとナックの猛特訓が始まりました。
テイルは、滝の近くにある岩の上に立ち、
ナックは、滝の下からテイルを見上げています。

「こ、怖いチャオ…」

「まずは助走をつけろ。そして、ある程度助走をつけたら一気に飛び出すんだ。」

「わかったチャオ。やってみるチャオ…」

テイルは後ろに下がり、そのまま走り始めました。
そして、そのまま飛んだ………と思いきや、
池に落っこちてしまいました。

「大丈夫か?」

「うん、大丈夫チャオ。」

「恐怖心を持っては駄目だ。飛ぶのが怖いと思っていては、いつまでたっても飛べないぞ。」

テイルは、もう一度岩の上に登り、
助走をつけて飛び立ちました。そして…………

第3話に続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第134号
ページ番号
3 / 4
この作品について
タイトル
翔べ!テイル
作者
あらら(ボロット)
初回掲載
週刊チャオ第134号