25話 化け物登場
とある組織 25話 化け物登場
「うし。帰るか」
レッドメアがグレープソーダに向かって言う。グレープソーダは頷き、ワープをした。レッドメアもワープをして地上へ戻る。
「まさか、四天王だけでなく人間も倒してしまうとはな」
「デルデゼロさん、俺達は解放されたんでしょうか?」
一人のライトカオスがデルデゼロに訪ねる。デルデゼロが頷くと、部屋中に歓喜の声が響いた。しばらくして、その声は無くなる。そして、デルデゼロがまた喋り出した。
「しかし、手遅れだ。あの機械は完成してしまったのだから」
「あいつらでは勝てないのですかね?」
「さぁな。俺にもわからない」
デルデゼロはそう言ったが、レッドメア達に期待をしていることは言うまでもなかった。
デルデムスは本を読んでいた。それは、さきほど老人からもらったものだ。デルデムスは本を閉じ、ため息混じりにこう呟いた。
「レッドメアのデータをいじられて生まれたクローンならでは、って感じだな」
「ふぅ。地上だ。これで世界に平和が戻ると」
「いや、それはないはずだぞ。俺達が引き受けた依頼の中には、秘密兵器の破壊とあるからな」
グレープソーダが依頼内容が書かれた電子メールを小型の機械に表示させ、それをレッドメアに見せながら言う。
「んなもん、調査してねぇ場所があったんじゃねぇのか?」
レッドメアがもっともな意見を言う。そもそも、少年が入ってきたドアの先は全く調査していないのだから。しかし、グレープソーダはここ周辺のMAPを小型の機械に表示させる。それには、さきほど行った地下の構図まで載っている。
「いいか?ここがさっき戦った場所で、少年の部屋は、こっちの方向だな」
と、指を指しながら説明をする。どうやら、奥に行けば行くほど闘技場から離れていく構造のようだ。
「んで。さっきの部屋にあった機械が魔力を送っていた先はここだ」
グレープソーダがボタンを押すと、MAPに赤い線が表示された。赤い線は闘技場の所で止まっている。
「ってことは…!!」
「そう、その秘密兵器とやらは闘技場の下にある」
その時、大きな揺れが発生した。闘技場は崩れ、下から何かが出てくる。
「あれが、最終兵器か」
下から出てきたのは、巨大な金色の蛙型の機械だった。その揺れと、巨大な存在により大勢のチャオが来るのは言うまでもない。
「あれを倒せば依頼は完了か」
「あぁ、究極の賞金稼ぎトリオの出番だ」
「おぉ、ギャラクシーにメロンソーダ」
どうやら、黄緑色のソニックチャオはメロンソーダという名前だったらしい。
「………」
「これが、最期か」
「でっかぁい」
「行くぞ!これが最後の戦いだっ!!」
レッドメアが大声で言う。それに合わせて全員がオオッ!!と叫ぶ。
「面白そうじゃねぇか。俺達も混ぜろよ」
「えぇ。ぜひ参加させてください」
そう言ってきた二人組は見張りだったヒーローカオスとダークカオスだった。さらに、その後ろにはあの、四天王までいた。
「いいか?お前らに協力するわけじゃねぇ。俺達が生きていくために戦うだけだ」
「まぁ、世界を無にすることもできる相手と戦うのは無謀だとは思いますけどね」
「せっ世界を無に!?おいおい、なおさらお前ら雑魚じゃ勝てねぇぞ」
レッドメアが、カオスチャオ六人に言う。ギャラクシーやヒットもそうだそうだ。と賛成している。
「ふぉっふぉっふぉ」
「んなっ、じじい!?」
レッドメアとデルデムスが同時に言う。他のチャオ達は人間を見て驚いているようだった。
「わしは、もう戦えぬ。そこで、お前らに力のプレゼントをな」
老人がそう言って両手をチャオ達に向ける。すると、レッドメアやデルデムス、ヒット以外のチャオ達は真っ赤な光として見えるようになった魔法エネルギーに包まれた。
「わしら人間は、そのチャオ特有の現象を魔力覚醒と呼んでいる。その力で存分に戦うがよい」
そう言って老人は立ち去っていった。