23話 赤い悪夢と紫の機関銃
とある組織 23話 赤い悪夢と紫の機関銃
「なんでですか?デルデゼロさん」
「もうすぐ、やつが来る。やつにはお前でも勝てないさ。まぁ、お前が強いことを前提としてもだ」
デルデゼロと呼ばれるチャオがあっさりと言う。
「そんなもん、やってみないとわからないでしょう」
「無駄だ。やめておけ。早く出て行け」
「嫌です」
「出て行けっ!!」
デルデゼロが魔法の炎を放つ。しかし、レッドメアは素手で打ち消した。
「これでもくらえ!エネルギーボール!!」
デルデゼロが魔力で出来た弾をレッドメアに向けて放つ。
「お前にこの技は防げん」
「俺は…昔とは違う」
レッドメアが右手を前に出す。すると、デルデゼロのエネルギークラッシュは右手の目の前で静止した。そして、レッドメアが右手を横に振ると、デルデゼロの放った魔力の弾はその、右手を動かした方向へはじかれた。
「くっ、言葉でも力でも駄目か。ならば、勝手にいろ。どうなっても知らないけどな」
デルデゼロがそう言い、また機械に魔法を放ってから数十秒後、レッドメアが入ってきたドアと反対のドアが開いた。
「なっ、やつって人間のことかよ」
レッドメアが驚く。その人間はまだ子供らしく、人間にしては背は低いほうだった。
「お前は誰だー!?さては、悪いヤツだな!!」
「誰が。こんな所にチャオを監禁する方がよっぽどタチの悪いヤツだと思うぞ?」
カオスチャオ達は、驚いてレッドメアの方を見る。なぜなら、レッドメアは人間の言葉を話していたからだ。チャオの言葉を話せる人間は少ないが、人間の言葉を話せるチャオはもっと少ない。
「えぇい!四天王こーい!こいつをやっつけちゃえー!!」
少年が、大声で四人のチャオを呼んだ。どうやら、彼らも人間の言葉がわかるようだ。
「俺が最初に戦おう。俺の魔力なら楽勝だ」
「おや?一人だけか?二人でいいんだが」
レッドメアが言う。すると、白いヒーローカオスが出てきて青のダークカオスの横で止まった。
「私の連打力と貴方の魔力。これなら相手は防ぎ切れません」
「うむ。言われてみればそうだな」
「いくぜ?バトルフィールドッ!!」
レッドメアが両手を挙げる。すると、白い魔法の線がバトルフィールドを作った。
「いいか?その線から出ると、出たチャオは消滅する。まぁ、誰も出たことはないからわからんが。で、俺が消滅するか、解除というまで線は消えない。あと、攻撃は白い線から出ると消滅するから安心しろ」
どうやらレッドメアは、戦っていないチャオのことを考えてこの魔法を使ったようだ。
「俺の最大火力には耐えられまい!クリムゾンフレイム!!」
「轟く無数の光…エレキフィーバー!!」
青ダークカオスは巨大な炎を、白ヒーローカオスは無数の電撃を放ってきた。
「なにぃっ!?」
二人が放った魔法は、レッドメアの右手に吸収されていく。
「これぞ…コピースキル」
レッドメアがそう言うと同時に、右手から二人の放った魔法を同時に放つ。
「グッ。コピースキルだと?聞いたことがねぇ」
二人は魔法を放ち、威力を弱くしていたので倒れなかったが、レッドメアの技に相当驚いたようだ。
「じゃあ今度はこっちから行くぞ」
レッドメアが、剣を持って青ダークカオスに接近してくる。二人は慌てて剣を取り出す。
「一刀両断!!」
レッドメアが剣を思い切り振り下ろす。青ダークカオスは剣で攻撃を防ごうとするが、レッドメアが狙っていたのは、その剣だった。