21話 赤い悪夢
とある組織 21話 赤い悪夢
「こっちの方が不利になっているぞ」
「えぇ。相手は疲れているだけですが、こっちは沢山の火傷がありますからね」
「このレッドメア様に勝とうということ自体が無謀ってこと。わかったかい?」
レッドメアが言うと、ダークカオスとヒーローカオスは驚く。
「レッドメアだと!?」
「赤い悪夢。と昔は呼ばれていましたね」
「厄介なやつが現れたぜ。だが、あいつとはVRで何度も戦い、勝っている。大丈夫だろ」
「それはいつのデータだ?」
「ふむ。数年前のデータだ」
ダークカオスが答えると、レッドメアはニヤリと笑う。
「あいつの攻撃は俺が止める!止めている間に倒せ!」
ダークカオスが斧を両手で持ち、ヒーローカオスに向かって言う。レッドメアは、ダークカオスに向かって走ってくる最中だった。
「ていっ!!」
ダークカオスは、レッドメアが剣を振り下ろそうとしているのを見て、斧で防ごうと構える。同時にヒーローカオスがジャンプし、レッドメアの真上に来る。しかし、レッドメアは剣を振り下ろさず、そのままジャンプしてヒーローカオスの槍をはじき飛ばしたのだった。
「何っ!?チッ、槍を取りにいけ!その間、俺はこいつをなんとかする!」
ダークカオスが後ろに飛び退く。
「なんとかできるかな?」
レッドメアは走ってダークカオスに近づく。そして、ダークカオスの目の前で姿勢を低くした。
「ジャンプしないだとっ!?」
ダークカオスは、レッドメアがジャンプするとわかったのでジャンプし、レッドメアの進路を防ぐ。しかし、レッドメアは姿勢を低くしたまま走り、ダークカオスの下を突破する。
「くっ!」 「速い…」
ダークカオスは着地直後、レッドメアの方へ走る。一方、ヒーローカオスはレッドメアに追いつかれそうになりながらも、槍を取り戻す。
「どらぁっ!!」
レッドメアは、ヒーローカオスに思い切りタックルした。ヒーローカオスは吹っ飛び、壁に当たる。ヒーローカオスは気絶し、ドアが開いた。
「ふむ。まさか、あっちを先に倒されるとは」
「ちゃんと、守らなかったのが悪いんだ」
レッドメアがあっさりと言う。
「一つ訊いてもいいか?」
「あぁ。一つのことならな」
「どうして、俺を狙わなかった?」
「そりゃあ、守られるチャオってのは絶対何かあるからな。お前が倒されたのを合図に逃げる可能性だってある」
レッドメアがそう言うと、ダークカオスは呆然として何も言わなくなった。数秒後レッドメアが
「こっちも質問がある」
と言う。そして続けて
「あのヒーローカオスを倒したら、ドアが開いた。お前を倒すとどうなる?」
「損にはならないかもな」
ダークカオスが言うと、レッドメアはダークカオスを素手で気絶させた。
「さぁて、何が起きたのかな」
そう言い、最深部を目指すレッドメア。しかし、レッドメアを待ちかまえていたのはまた階段なのであった。
「ここの階段…。長いな」
レッドメアが部屋から出た数分後、その部屋に足を踏み入れたチャオがいた。そして、数分休んだ後、彼もレッドメアと同じように階段を下り始めた。