20話 カオスチャオ

とある組織 20話 カオスチャオ

「また階段か!!」
かなり厚い扉を破壊するが、そこにあったものは階段。さきほどから、同じ事の繰り返しである。

「どんだけ体力を消耗させる気なんだか」
レッドメアもそろそろ息が切れてくる。階段を下りるスピードが徐々に落ちていくが、止まろうとはしない。なぜなら、後ろから足音が聞こえるからだ。

「今度はなんだっ!?」
そろそろ体力の限界だ。そろそろ階段以外の何かが出てこないとレッドメアは倒れてしまうだろう。しかし、壁を壊して現れたのは階段だった。
「ワープができない所は嫌いだ」
そう呟きながら階段を下りる。ワープができない理由は、ここがどんな構造になっているかわからないからだ。わからないために、土の中ワープして埋まってしまう可能性もある。

「うおらぁぁぁっ!!」
レッドメアは壁を突き破ろうとしたが、壁は壊れなかった。何度叩いても壊れない。

「エネルギークラッシュ!!」
レッドメアが手から巨大なビームを放つ。しかし、壁は壊れず静かに開いただけだった。扉の奥は、かなり広い部屋だった。その中央に、ヒーローカオスとダークカオスがいた。

「ほぅ。まさか来るとは……」
「ですが、疲れているようですね」
ヒーローカオスが言うと同時に扉が閉まる。

「疲れていても、お前らに勝てるだけの体力はあるぜ?」
「たとえあなたが疲れていなくても勝てますよ」
ヒーローカオスが槍を持って突進してくる。レッドメアはダークカオスが動いていないのを確認して、後ろに下がっていく。

「所詮お前はただのダークカオスだ!!」
背後にダークカオスが高速で回り込み、斧を振る。レッドメアは横に飛び、なんとか斧を回避するが、ヒーローカオスの槍はレッドメアの腹部を貫いた。

「とどめだ!!」
ダークカオスは斧を思い切り振り下ろす。斧はレッドメアの後頭部にあたった。

「弱かったな」
「ですね」
レッドメアは倒れ、武器をしまい二人は元の場所へ戻ろうとする。しかし、レッドメアが背後から斬りかかってきた。

「最初から魔法エネルギーがないことぐらい説明しておけ」
「あぁ。そうだったな」
「今ほどの睡眠じゃあ疲れは取れないでしょう。今度こそ……」
今度は二人同時にレッドメア目掛けて走り出す。レッドメアは、自分の頭の上にある炎を掴んだ。

「ワープは、魔法エネルギーがなくてもできるんだよ!」
レッドメアが炎を上に投げる。その炎に引き寄せられ、レッドメアは天井の近くまで飛ぶことができた。

「カオスチャオなら、こんなことも可能だ!」
レッドメアは落下しながら火を噴く。これは、レア小動物・ドラゴンをキャプチャすることによって可能になる。

「くっ!火とは厄介な!」
レッドメアの噴いた炎は、武器では防ぎきれず、カオスチャオ達にもダメージを与えた。レッドメアの狙いは、今の攻撃による火傷。それによって相手の行動が少しでも鈍ることを期待していた。

「くっ。少し痛むな」
「ですね。戦いに影響しないといいのですけど」
「俺の勝ちも決まったようなもんだな」
レッドメアが剣を振る。それを防ぐたびに二人は火傷をした場所が痛む。

「くらえっ!」
ダークカオスが斧を振り上げる。ヒーローカオスも後ろから槍で支援しようとする。するとレッドメアは火を噴いて相手の力を弱め、剣で防ぐ。

「ちくしょう。あいつの方が疲れているはずだが」
「形勢逆転ってやつかな?」
レッドメアが、少し笑いながら二人に近づく。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第122号
ページ番号
41 / 50
この作品について
タイトル
とある組織
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第97号
最終掲載
週刊チャオ第127号
連載期間
約6ヵ月30日