19話 最強を求めた者
とある組織 19話 最強を求めた者
「さぁどうする?これ以上の攻撃は無駄だ」
「逃げるしかねぇか…!」
デルデエイトがワープして逃げようとする。デルデムスは剣になっている杖を振った。だが、その直前に何かがデルデエイトの体を切り裂いていた。
「久しぶりだな…デルデムス」
「そんなに久しぶりではない」
デルデエイトを斬ったのはギャラクシー。デルデエイトの傷は浅く、その場に倒れている。ギャラクシーの右手にはあの鎌があった。
「流石、防御は究極に等しいだけあるな。やはり、鎌も守っていたか」
「勿論だ。これほどの防御を出来る者は…」
「お前しかいないだろうな」
ギャラクシーは煙草を取り出し、火を付ける。久しぶりに煙草を吸うのを見るが、それほど余裕なのだろう。
「今回は自信満々か」
「あぁ。負け惜しみに聞こえると思うが、この前はまだ本気を出していない」
「今回は本気なんだな?」
「お前とは話しが短くすんで助かる」
ギャラクシーは鎌を両手で持ち、姿勢を低くする。
「ヒット。走行速度上昇魔法を頼む」
「OK~」
ヒットが、魔法をデルデムスにかけた瞬間、両者は相手に向かって走り出す。
「無効っ!」 「ワープッ!」
二人は攻撃をすると思われた直前に相手の攻撃を警戒して回避を優先した。
「ヒットッ!二つの手を持って空中にいろっ!」
デルデムスはギャラクシーと戦いながらヒットに言う。ヒットはその指示通りに動く。
戦いは数十分たっても何の進展がない。どちらかが攻撃しても、武器で受け止められたり、回避されたるするのだ。なので、両者とも傷一つ付いていない。そして、ギャラクシーの鎌が襲ってくる。ギャラクシーは今まで以上に大きく飛び退き、間合いを大きくする。
「無効っ!」
刀を両手で持ち、突進してくるデルデムスの攻撃を無効にしようとした。だが、デルデムスの刀は鎌を狙っていた。刀の衝撃波によって、刀と鎌は弾かれ、遠くに飛んでいく。デルデムスは素早く杖を持ち、魔法の刃を発生させる。そして、デルデムスは無効の僅かな隙をついた。
「ぐあぁぁぁぁっ!!」
肩を斬られたギャラクシーが倒れる。本当はもっと傷を浅くする予定だったのだが、タイミングの関係上こうなってしまった。デルデムスは、素早く足パーツを回収した。
「さて…こっちのやることは終わった。後は…あいつ次第」
「レッドメアの行った所が関係しているの~?」
「うむ。実は、あいつの行った場所に、本物の装置を出すスイッチがあるんだ」
「なんだお前は」
「侵入者ですか?久しぶりですね」
ダークカオスとヒーローカオスの見張りがいた。レッドメアは剣を持ち、かまえる。
「ほぅ。見張りがいるということは、よほど重要な物が奥にあるってことだな?」
「そう思っていただいてもいいですがー」
「お前の方が不利だぞ?」
ダークカオスが言う。確かに、2VS1ではレッドメアの方が不利だろう。さらに、見張りをするほどの実力が彼らにあるということは、かなり強いということは戦わなくてもわかることである。
「ふむ。君達が20人ほどいないと俺には勝てないと思うが」
「何を。いつも通りやるぞ」
「はい」
ダークカオスはレッドメアの背後にワープする。ヒーローカオスはレッドメアに向かって槍を持って突進してくる。ダークカオスは斧を持っている。
「今だっ!!」
レッドメアは、攻撃を避け、そのまま彼らが守っていた入り口を破壊し、突破した。
「なにぃ!?」
「落ち着きましょう。次のエリアならば…」
「そうだな」
二人はどこかにワープしていった。レッドメアはそんなことには気付かずに、ただひたすら長い廊下を走っていく。