１７話　再生する機械

とある組織　１７話　再生する機械

「再生機能なんて厄介な…」
「どんどん破壊していくというやり方は無理か…」
デルデムスは杖を左手で持ち、握りしめる。すると、杖の先端から黒い魔法の刃が出てきた。

「ムダダァッ！！」
レッドメアとヒットは魔法で敵を攻撃するが、それに集中していたため、とても早い爪の攻撃を避けることはできなかった。

「魔法で攻撃していても駄目だっ！何かいい方法がないとっ…！」
デルデムスは、敵の攻撃を避けながら言う。だが、再生機能があるため倒す方法と言えば機能を停止させることだけだろう。

「このまま避け続けるのも難しいっ！一度こっちに来いっ！！」
デルデムスが、その呼びかけに応じて戻ってくるのと同時にレッドメアが魔法を使う。それは、周囲にいる仲間の走るスピードを上げる魔法だった。

「お前らの武器は、魔法とは別々にしか使えないのか？」
デルデムスは、そう言うと再び敵の方へ走っていった。レッドメアとヒットは慌てて武器を取り出した。

「そうか…なるほどな」
レッドメアは剣を強く握る。剣は魔法の光を放ち始める。それは、ヒットの爪も同じだった。
「いいか？お前はとにかく空中戦をすること。必要以上のことは喋るな」
レッドメアがヒットに言う。するとヒットは

「えぇぇ！？何それ！？ギャグ的要素を取り入れないのっ！？」
「取り入れるわけねぇだろ！！とにかく、行くぞっ！！」
レッドメアが、相手の攻撃をジャンプして避け、そのまま腕に乗る。

レッドメアは、長い腕の上を走る。しかし、敵もそう簡単に行かせてはくれない。腕を振り回し始めたのだ。レッドメアは腕から落ちた。そして、さっきまでレッドメアが走っていた腕が逆襲するかのようにレッドメアを襲う。

ズドォォォォーン…
レッドメアを襲った腕は体と切り離され、落下していた。斬ったのはデルデムスだった。

「エネルギー…」
ヒットが少しずつ巨大な敵に向かって飛びながら魔法エネルギーをためている。敵は、まだ残っている左腕でそれを防御しようとする。

「アッパーッ！！」
ヒットが爪をはずしていたことに気が付いたときには、既に攻撃は左手を粉々に砕いていた。
「確か…ヒットはスマッシュと同じ道場にいたんだよな…」
と、レッドメアが呟く。それと同時に飛ぶ能力が上がる魔法を自分にかける。

「さて…最後はやはり俺が適任だろう。お前らは攻撃するな」
「ハァッ！？」　「えぇっ！？」

「おらーっ！！」
二人の反論も聞かず、レッドメアは飛びながら相手の腹部を横に両断する。さらに、そこから少し離れて

「エネルギィィィ…クラッシュッ！！」
レッドメアがそう言った瞬間、巨大な機械は大爆発を起こす。三人は魔法でガードしたが、エレベータなどは壊れてしまったのは言うまでもない。


「…どうすんだよ」
「そりゃー…俺に任せろ」
レッドメアが言う。ヒットと自分にまだ残っている微かな光を、吸収し三人を地上までワープさせた。