14話 悪は倒れる。正義は力尽きる。
とある組織 14話 悪は倒れる。正義は力尽きる。
「スマッシュをどうにかできないのか…?」
「無駄な質問だな。できない」
「なんかあるはずだろっ!!」
レッドメアが必死に言う。しかしデルデムスはいつも以上に大人しい。
「何かあったらやっている。…くっ」
「うっ…」
二人は、突然倒れそうになった。何も原因はないのに。
「お前もか…」
「あぁ…そうらしい」
その数秒後、何かが起こった。
「しぶといやつだっ!!」
「ふふん♪竜巻が遅いだけじゃなぁ~い?」
空中で、ヒットは戦っていた。相手が出す竜巻をヒットは楽そうに避けている。
「あぁ。竜巻は遅い。だけどな…よく見てみろ」
ヒットは複数の竜巻に囲まれていた。竜巻は徐々に迫ってくる。
「むむむ…これ以上高くは飛べないし…」
「飛行タイプでも俺には勝てん」
「…王手飛車取り・貫通両取り!!」
「は?」
ヒットは、回転しながら竜巻に突っ込む。竜巻を突き抜け、敵に一直線。
「将棋じゃ、貫通する駒なんてねぇぞっ…!?」
彼は苦しみながら言う。爪の攻撃をくらいながらもそれですんでいるのが凄い。瓜だったら当然だが。
「ふっふっふ。そんなもん知ったこっちゃないね」
そこまでいくといじめに等しい。
「さぁて、ゴミは風の力でどっかに捨てますか…」
「え!?おぉぉい!…マテ、待てよ。頼む!お前の言うこときくから!!」
「じゃあ、あなたの持っている箱の中身をください」
「はっはいぃぃ!!どうぞっ!」
ヒットは箱の中身を確認して、再び彼の方を見る。
「じゃあ、もう利用ができないものは捨てないとね」
「…!!?」
ヒットは彼を掴み、竜巻の方へ向かう。
「これだから不燃物は…」
「いっそのこと燃やしてください」
その後彼は燃やされ、最後には竜巻の中に入れられたことは言うまでもない。
「ほぉ…お前一人で倒せたのか…」
レッドメアが驚いた口調で言う。
「ってか、なんだそれは」
「え?ウサギだよ?」
「軽く30匹は超えてるぞ!?」
「5匹くらいなら飼っていいでしょ?」
「残りの25匹以上はどうすんだよ」
デルデムスが寄ってきたウサギを蹴る。
「どああぁぁぁ!何すんの!?ウサギ無限ダッコの刑にするよ!?」
「…それはやめろ」
レッドメアは、デルデムスにウサギのパーツが付いた姿を想像して大笑いした。
「…で、どうすんだよ」
「そりゃあ…レッドメアとデルデムスで…」
「焼くとうまそうだな…」 「焼きウサギにしてやろうか?」
レッドメアとデルデムスが言う。
「んで…その目」
「ん…。あぁ。片目だけの威力で助かった…」
スマッシュが消滅する時に出された魔法エネルギーは激減していたので、デルデムスの片目だけで済んだのだった。
スマッシュは消滅した。もう、この世にはいないのかもしれないし、どこかにワープしたのかもしれない。だが、今そのことがわかる者は一人もいないのであった。