10話 情報

「雑魚共…安心…しろ…俺は…お前らなぞ…狙わない…」
「雑魚ぉっ!?誰のことだぁっ!?」
スマッシュが怒鳴る。

「おそらく、ヒットとスマッシュだろうな」
レッドメアが言う。しかし、謎のチャオは首をふる。

「今言った…二人と…赤い…ダークカオス…だ」
「はぁっ!?なんだなんだ!?俺が弱いっていうんか!?」
「今の…チャオの…実力は…昔に比べ…衰えている…」
「デルデムス!下がっていやがれっ!俺達がこんなやつ倒してやるっ!」
「無駄だと思うが…いいだろう」
「フハハハハッ!……隠れていれば…いいものを…」
デルデムスが、謎のチャオからある程度離れたときに、そのチャオは消えた。

「くらえ…マジックショット」
左手の五本の指からレーザー光線が放たれる。謎のチャオは五本の指を動かし、三人をその場から動かさない。

「よく見ろ…これは俺達をこの場に止めさせるためのようだ…動いたら…当たるぞ」
「にしても…いつまで出てるんだろ…」
数十秒しても、光線が消えることはない。少しずつ太くなっているようにも見えた。

「エネルギークラッシュ!」
レッドメアが、右手を謎のチャオの方に向けビームを放つ。

「この魔力…受けてみよっ!!」
謎のチャオは、五つの爆弾を落としながらワープをする。爆風が三人を囲む。

「スマッシュ!ヒット!飛べっ!!」
「えっ?あ…うん」
二人は飛び上がった。下では見えなかった謎のチャオが見えた。謎のチャオは、二人の方を向く。

「うあぁっ!?レッドメア騙したなぁっ!!」
「とっとにかく何してくるかわかんないから捕まっててよっ!」
空中では上手く動けないスマッシュは、空中での行動が得意なヒットに捕まる。

「ふははは…ヒコウタイプ…ナックルズチャオを…見捨てれば…助かったのにな」
いつの間にか、謎のチャオは二人の目の前に来ていた。謎のチャオがさきほどまでいた場所には、レッドメアが立っていた。

「何だとぉぉ!?」
ヒットが、手に付けている爪で謎のチャオに攻撃をした…が、やはりワープで避けられてしまう。

「雑魚は…この魔力に…耐えられぬ」
謎のチャオの左手から巨大な炎が出てくる。それに当たった二人は気絶し、落下する。

「エネルギークラッシュ」
二人が落下し始めたのと同時にレッドメアが先ほどと同じ技を使う。

「……」
謎のチャオは、レッドメアの背後にワープ。そして、左手でパンチする。レッドメアは数メートル吹っ飛んだ。

「このやろう…」
レッドメアは再びエネルギークラッシュを撃とうとしている。しかし、デルデムスがそれを止めた。

「長距離ワープに強力な魔法…チャオとは言い難いな」
デルデムスが呟く。ほとんどのチャオは魔法を使えない。使えたとしても、ギャラクシー程度が限界なのだ。彼はそれを超えている。

「この…手の力…だ」
「しかし、かなり体力を消費するようだな」
どうやら、あの口調は個性ではなく、体力の消耗が激しいために疲れているからなったようだ。

「お前が…持っている…杖…いたたくぞ!」
謎のチャオは、さきほどと同じように、細いレーザー光線を五本出す。

「たったの五本か…」
デルデムスは、五本のレーザーが前方に集中した瞬間に、後ろへ飛び退く。

「…ちっ」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第111号
ページ番号
27 / 50
この作品について
タイトル
とある組織
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第97号
最終掲載
週刊チャオ第127号
連載期間
約6ヵ月30日