10話 情報

最初はRPG風ギャグ小説のはずが
RPGでもギャグでもなんでもない小説に(汗)

とある組織 10話 情報

「……おい、俺だ」
「え?おれおれ詐欺…?」
レッドメアは、基地と無線で通信している。デルデムスは近くで会話の内容を聞いている。

「違う、レッドメアだ」
「え?あぁ!レッドメアさん!!」
「情報はまだか?」
「あ…忘れてました」
レッドメアがデルデムスの方を見る。間違いなく呆れた表情だった。

「えっと…あ…もう伝えた物と勘違いして消していました」
「はぁ!?」
「えっと…その…頑張ってくださいね」
「…」
レッドメアは通信機をしまう。デルデムスはため息をついた。

「こういう時に天から声が聞こえてくれば…ってあいつらじゃないしな」
「こんにちは…私は神です」
「うむ…おはようヒット君」
「あれ?わかったの?」
「わざと反応しそうな台詞を言ってやったんだ…」
ヒットは、はうぅ…と言って寝ようとする。レッドメアが殴ってそれを阻止した。

…しばらくして…
「どうするか…」
「待機が一番良いと思われる」
「え~!?なんでぇ!?」
スマッシュとヒットが同時に叫ぶ。

「廃墟でも一応設備は整っている。食料の問題もない」
と、数本のヤシの木を指さす。

「えぇ~?ここはやっぱり、町のチャオから情報を集めて魔物を倒してお金を稼いで宿に泊まるという、冒険風にやってったほうが…」
「魔物なんているわけないだろ…それに、町のチャオが情報をもっているとは思えん」
「まだ森と廃墟しか行ってないじゃぁ~ん!魔物がいないって決めるのは早いよっ!」
「馬鹿…町に住み着く魔物なんて普通いないだろ」
ヒットが頷いたので、ゲームでも普通はいないのだろう。レッドメアはそう判断する。

「ん…?連絡…?今更何を…」
と、レッドメアが呟きながら通信機を取り出す。

「はい!こんばんは!」
「あぁ…おはよう…」
レッドメアのいる所は朝だが、基地の方は夜らしい。

「えっとですね…まず、情報がありました」
「お…?」
「えっと…誰かが所持しているそうです…その証拠に移動しているのが確認されてます」
「移動ルートの予測はできないのか?」
「あの…すみません…時々ワープをしているようなのでわかりません」
「ワープッ!?どのくらいの距離だ!?」
「歩いて10時間分の距離を1秒で…です」
レッドメアは驚く。小型の転送装置だと、その距離まで10秒ほどかかるからだ。

「あと、そちらはこっちと違い…」
「全チャオがある程度戦えるように、普通のチャオはチャオカラテ、才能のある者は武器を使った決闘で戦闘能力を高める…」
「はい、そうらしいです。ではっ!」
レッドメアは通信機をしまう。

「ワープか…厄介だな」
「こっちに来てくれるといいんだがな」

「お前ら…か」
「!!」
突然真っ黒なニュートラルチカラタイプのチャオが現れた。そのチャオの左手は、普通のチャオと違い、五本の指があった。

「気を付けろ…何をしてくるかわからん」
レッドメアが置いてある大剣を取りながら言う。

「…」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第111号
ページ番号
26 / 50
この作品について
タイトル
とある組織
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第97号
最終掲載
週刊チャオ第127号
連載期間
約6ヵ月30日