9話 本物のある場所
とある組織 9話 本物のある場所
「…いってぇ…」
爆破と同時に転送される…はずだったのだが上手く作動せず、一瞬転送が遅れた。その時に、爆心地に一番近かった(と言っても、他のチャオとは大して変わらない)のはレッドメアだった。
「レッドメアァァ~起きてるかぁ~い!」
うるさいスマッシュ&ヒットの声。レッドメアは寝たふりをするようだ。
「ん~…まだ起きないねぇ」
「殴れば起きるかもよ?」
ヒットが余計な提案をする。おそらくスマッシュが殴ってくるだろう。
「でやぁぁっ!!」
「この気違いがぁっ!!」
スマッシュのパンチを右手を使ったジャンプで避け、スマッシュの顔面を狙って着地後すぐに回し蹴り。
「がはぁ…」
「このぉ!スマッシュを…よくもぉ!!」
今度はヒットが襲ってくる。
「エネルギーガン!!」
レッドメアはチャージ時間が短くすぐに撃てる技を出す。ヒットはそれに当たり苦しみながら倒れた。
「ったく…まだ体が痛いっつーに」
レッドメアはそう言い残し部屋から出た。
「ん…レッドメアじゃんか…スマッシュとヒットは?」
「襲ってきた…あいつら、今頃ベッドの下で寝てるよ」
レッドメアが可笑しそうに言う。
「早速だが行くぞ」
「え?どこだよ」
「こっちから出る」
「ふぅん…危険そうじゃねぇか…俺が行かないとダメだな」
「そう言うと思って復活待ちだったんだよ…」
―数分後―
「うし…ボケ軍団も到着…行くぞ!!」
四人は転送装置で転送された。着いた場所は森。
「なんで森なの?」
スマッシュがレッドメアに訊く。
「まずは人目につかない場所に行くのが常識だ」
「懐かしいな…」
「眠い…」
しばらく一同は歩く。すると、廃墟が見えてきた。
「何…ここ…ヒットどう思う?」
「変」
「ここは…チャオガーデンだ…人類がチャオを保護するために造ったものだ」
「デルデムス…よく知っているな」
「… … …」
「で、何をするの?」
スマッシュがレッドメアに訊く。
「しばらくの間はここで生活する」
「えぇ!?こんな廃墟に!?」
「廃墟と言っても元は保護をするための施設…問題はない」
「お金使いたくないだけでしょ?」
「…当然だ」