2話 無効
「そんなことわかっている」
言い終えた瞬間に、レッドメアは大剣のリーチを利用して、ギャラクシーを斬った。
「ちっ…」
ギャラクシーはそう言うのと同時に姿を消した。
「どこだ!?…なんて言ってる場合じゃないんだよね…こういうのはさ…」
スマッシュが呟く。
「大体…敵の死角にまわりこむか…どこかで魔力をためてたりするんだよね…」
「ほぅ…馬鹿マッシュにしては筋の通りすぎたことを言うな」
レッドメアが言う。
「しかし…やつはギャラクシー…とんでもないことを考えてる…」
レッドメアは見えるはずもないのに辺りを見回す。
「くそぅ…どこにいるんだぁ!?」
スマッシュが狂ったように言う。我慢の限界のようだ。
「落ち着け…こういう場合は消えているのが普通で、見えるときは異常だと思えばいいんだ」
レッドメアが言う。ヒットはわからないと言う代わりに首をかしげる。
「いや、こんな長い時間いないってことは、見えない所に潜んでいるとか…」
レッドメアがすぐに付け足す。
「もしずっと消えてたら?」
スマッシュが訊く。
「帰る…もう出てこないから帰る!!」
レッドメアが怒鳴った。
「ん…?待てよ…いい方法を思いついた…」
「え?何何?」
スマッシュが訊いた。
「ふっふっふ…スマッシュ君…地面を思い切り叩いてくれたまえ」
「なんだ…その喋り方…まぁいい!!でやぁぁぁぁ!!」
スマッシュは思い切り…………レッドメアを殴った。
「グヒヤァッ!!」
レッドメアが吹っ飛ぶ。
「はーはっはっはー!吹っ飛んだー吹っ飛んだー」
「ご苦労様だ…」
ギャラクシーが現れる。
「うわわわわわ!どこから現れおった!!」
「いやいや…消えてたって」
「ふっ…まんまと引っかかったな…」
「何ぃ…?」
ギャラクシーがレッドメアの方を見る。
「こういう時に役に立つんだよね…銃ってさ」
レッドメアが銃を持つ。
「ふん…消えたら撃てないだろ?」
「消えられないことはもうおわかりでしょう?」
レッドメアが言う。どうやら、そういう魔法を放っていたらしい。
「あぁ…そんなことはわかっている…だが、撃たせん」
ギャラクシーがスマッシュの背後にまわる。
「うわわわわ!!卑怯だぞ!!離せぇ!!」
スマッシュが叫ぶ。
「…いや、俺にかまうな!!一度この台詞いってみたかったんだ!!」
「なんちゅう理由だ」
レッドメアが呟く。
「んじゃあ撃つよ?」
「あぁ!さっさと撃て!!最後にかっこいい台詞を言ってみたいんだよ!!」
「あそぉーう…」
レッドメアは呆れている。