1−4
【ランドルク】「勝負は3日後。エメラルドコースのジュニアカップということでいかがでしょ~? もちろん速くゴールした方が勝ちということで~」
【ロルファム】「フッ、それでオーケーだ」
【レイト】「いや、どっちかというとジャンケンとかあやとりとかの勝負がいいかなー、なんて」
【ロルファム】「怖じ気づいたか、腰抜けめ!」
【レイト】「そんなことないやい!」
【ロルファム】「はーははは、じゃあ決まりだな」
【レイト】「あう……」
とぼとぼと歩いて、ランドルク先生にひそひそ話を持ちかけるレイト君。
【レイト】「えっとね、先生。今からでもジャンケンとか7並べとかの公平な勝負に変えられない?」
【ランドルク】「ん~、キミはそれだからダメだと言われるんですよ。いわゆるひとつのメークミラクルを起こしましょ~よ。先生、レイト君の底力を信じてますよ~」
そんなことをにこやかに言われたものだから、レイト君はやる気になった……
【レイト】「どチクショー! こうなったら本当に奇跡を起こしてやるもんねっ。ていうか、ぼくのほうがロルハムなんかより速いわいっ!」
……というより、ほとんどヤケクソになってチャオ幼稚園の門を飛び出していってしまいました。
気になって後を追いかけてみたエーテルちゃんがそこで見たものは、遠近感でだんだんと小さくなっていくレイト君の姿……というより、もの凄い勢いで坂を転がり落ちてます。
【レイト】「うーーーわーーー! つまづいちゃったーーー誰か止めてぇーーー!」
【エーテル】「速い……。後ろから大型トラックで追跡されても振り切れそうなぐらいに速いわ」
【ロルファム】「はーははは、まさかそれがキミの作戦ではあるまいな」
【ランドルク】「ん~、無理でしょうね~。エメラルドコースには、この幼稚園手前の坂ほどの長くて急な坂はありませんからね~」
不利。ともかく不利。
『タキオン2世』だなんてあだ名を付けられるほどへっぽこなレイト君に、勝利の女神は微笑むのでしょうか?
転がる途中でごつごつした石にぶつかって悲鳴を上げているようですが、大丈夫なんでしょうか?
第2話につづくっ!