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【ロルファム】「フッ、弱すぎるなキミは。だからキミはタキオン2せ……おわっ!」
【エーテル】「ランドルク先生!」

 威張りちらしていたロルファム君を、ひょろ長い人型の猫がむんずとつかみあげました。
 このひょろ長い猫はランドルク・ザ・キャット。
 チャオ幼稚園の保父さんのようです。

【ランドルク】「う~ん。いじめはいけませんねえ、いじめは。先生、感心できませんよ」
【ロルファム】「おわ~っ! この美麗なるオレになんてひどいことしやがるんだ。離せ、離せ化け猫!」

 ロルファム君はすごく怒っていますが、周りから見れば今のロルファム君はUFOキャッチャーで釣られたぬいぐるみのよう。
 それでもロルファム君はあらんかぎりの悪口をランドルク先生に投げかけますが、先生は耳を貸そうとしません。

【レイト】「先生。ぼくはいじめられていたんじゃありません。ロルハムと決闘していたんです」
【ロルファム】「だから『ロルハム』ではないと言っているではないか。タキオン2世の分際で……、口のきき方には気をつけたまえ」
【ランドルク】「う~ん、レイト君。この子は『ロルハム』ではなく『ロルファム君』なんですね~。ロルファム君もロルファム君ですよ。人の神経を逆撫でするような話し方はよくありませんね~」

 ランドルク先生、ロルファム君を地面にゆっくりと下ろしました。
 それから、となりにいたエーテルちゃんが事のなりゆきを先生に説明したようですね。

【ランドルク】「ふぅ~む、そうですかー。しかしですねー、ロルファム君。エーテルちゃんとはレイト君が先に約束したようですから、ここは1つレイト君にゆず……」
【ロルファム】「譲れるかっ! いいか、化け猫。この美麗なるオレがちょっとばかし親父に告げ口するだけで、あんたのクビなんて簡単にとぶのだよ。さあ、この幼稚園で保父を続けていきたければここは素直にオレの言うことを聞いて、エーテル姫を引き渡してもらおうか」
【ランドルク】「う~ん、そこまでして保父を続けたいとは思いませんね~」
【レイト】「そうだよロルハ……ロルファム! そんなヒキョーな手にランドルク先生がひっかかるとでも思ってるの?」
【ロルファム】「ええい、オレはやるといったらやる!」
【レイト】「だーかーらー!」

 わいわいがやがや、あーでもないこーでもないと互いに言い争いを続けている様子。
 そのうえロルファム君の子分まで言い争いに参加して、もはやこれは永久ループとしか言いようがありません。
 ランドルク先生も困ったという表情で、頭を掻いています。

【エーテル】「あ・の・ねえっ!」

 今まで黙っていたエーテルちゃんが突然大声をあげました。
 みんなビックリしてエーテルちゃんのいる方に振り向きます。

【エーテル】「レイト君とちょっと遊ぶ約束をしただけで、どうしてこんなに言い争いをするのよ」

 ああ、そういうことだったんですね。
 何か重要な約束をしていたわけではなく、ただ遊ぶだけの約束、と。
 それにしてはレイト君、何を期待していたのかがっくりと肩を落としていますね。

【エーテル】「つまり、みんなで遊べば問題ないんでしょ。事態が丸く収まるんでしょ」
【ロルファム】「チッチッチッ。姫君は全く理解しておられないようだ。みんなで遊ぶのでは意味がない。二人っきりで遊ぶから意味があるのだよ。そうなると、ドジ・バカ・貧乏の三拍子揃ったそこのバカより、運動神経バツグン・頭脳メーセキ・お金持ちのオレと遊ぶのが最もふさわしいとこうなるワケだよ」
【レイト】「そんな……」
【ランドルク】「そんな不公平な決め方はよくありませんね~」

 レイト君の言葉をさえぎって、ランドルク先生が一歩前に出ました。

【ランドルク】「確かにレイト君はドジでバカで貧乏で、人にほめられるような立派なことは一度だってやりとげたことのない虫ケラ以下のチャオかもしれませんよ~」
【ロルファム】「いや、さしものオレもそこまでは言ってないが……」
【ランドルク】「ん~、ですがどうでしょう。ここはひとつ、勝負に勝った方がエーテルちゃんと1日デートできるということでどーでしょ~? それまでデートはお預けということで」
【エーテル】「ええっ!? わたし『デート』するなんて言った覚えな……」
【ロルファム】「よーーし、いいだろう了解ザッツライトだ」
【レイト】「受けてたつよっ!」

 あららー、エーテルちゃんの意見を無視して勝手に話が進んじゃいましたね。
 レイト君もロルファム君も、天に掲げたランドルク先生の人差し指をがっちりとつかんで、参加の意志を表明してます。

【ランドルク】「勝負は3日後。エメラルドコースのジュニアカップということでいかがでしょ~? もちろん速くゴールした方が勝ちということで~」
【ロルファム】「フッ、それでオーケーだ」
【レイト】「いや、どっちかというとジャンケンとかあやとりとかの勝負がいいかなー、なんて」
【ロルファム】「怖じ気

このページについて
掲載号
週刊チャオ聖誕祭記念特別号
ページ番号
3 / 7
この作品について
タイトル
『The Fool(ザ・フール)』
作者
RYO助
初回掲載
週刊チャオ聖誕祭記念特別号
最終掲載
週刊チャオ第98号
連載期間
約26日