第9話
天使の卵 第9話 遺跡
まずはじめに、先週から風邪をこじらせまして、感想のお礼が書けなかったお詫びを申し上げますーー。
フライヤさん、サマーソルトさん、テイルス2さん、まわしげりさん、あさゆさん、アーモンドさん、応援の素敵な感想を、本当にありがとう。とても励みになっています。今日は風邪も鼻が赤いくらいで、元気になりました。がんばって続きをかきまーす☆
ではではちいるんワールドへ、どうぞ☆
ナックルズと、ファインとあたしの三人は、地下通路を走り続けた。
これぞ地下マラソン!!
しかし・・二時間くらいで・・あたしがバテたーーー。だって、あたし、はだしなんだもーん。ちょっときついよねー。
「はぁ、はぁ、
ちょっと、休憩しないーー??」
「そーだな。追手はこねーみたいだし・・先も長いしな。ランチにするか。
この先に遺跡の広場があるから、そこで休もう」
「遺跡??」
ナックルズが案内した先には、ドーム型の天井と、八つの柱に囲まれた、円形の広場があった。
ふーん、なんとなくSFちっくなデザイン。チャオの文明って人間でゆーと17世紀もどきなのに、ここはイメージがだいぶ違う。映画で見たスターウォーズふうというか・・あたし、そんなに詳しくないけど・・。でも古そうだから遺跡は遺蹟だわね。
「この遺跡といい、巨大な地下通路といい、誰がつくったの?チャオじゃないでしょ?」
「さぁ? 俺はしらねーけど、チャオじゃないな。自然じゃないしなぁ」
すると、ファインがつぶやいた。
「この遺跡は、1000年以上昔のものだそうです。
チャオワールドができる前に、高度な文明を築いた何者かが存在した・・。そして、理由はわかりませんが、滅んだ。
と、アラビカ様のお言葉です。」
「ふーん、1000年も昔かぁ。チャオワールドができたのが700年前っていってたもんねー。その前の謎の文明かー。なんか、不思議――。」
に、しても。このファインはあの、なんでも知っている(よーなきがする)アラビカと意思がつうじているんだっけ。
ごはん食べたら、質問ぜめにしてやるーー。まだまだ、わからないことだらけなんだもん。
あの時、シャドウがきちゃったから・・。アラビカ・・ごめんね。あたしのせいで・・石にされちゃって。きっと元にもどしてあげるからねー。
あたし達は一本の柱のふちに腰かけた。
ファインが、リュックから赤い木の実二つと、黄色い木の実いっこを取り出した。
「俺は黄色の方をいただくぜ。赤いのは嫌いなんでね。」
ナックルズはそういって黄色の実をとると、かじりだした。
「あたしは両方平気。マンゴーとラズベリーってかんじだもん、どっちも好きだよ。」
あたしはファインにお礼をいって受け取ると、赤い実をぽりぽりたべた。うん、ジュースもいいけど、このまま食べても美味しいわん。
「よかったー、麻奈様に好き嫌いがなくて。」
ファインは無邪気に笑った後、ナックルズの視線を感じて、ちょっと萎縮した。
「フン、詳しいことは知らないが、麻奈はダークでもヒーローでもないからな。
もともとダークサイドの神殿で生まれて、後からヒーロー王国にいったから、どっちの実でも食べれるんだろ。」
「そーなのかー。あたしはどっちでもないチャオなわけねー。そーゆーあんただってどっちでもないじゃん」
そう、たしか夢にでてきたお母様も、シャドウと話していた白いチャオも、頭の上が天使のわっかになってた。ダークはとげとげ。でも、このナックルズはまん丸だもんねー。
「おっ俺は特別なんだよ。お前とは違うぜ。」
ナックルズがムキになってるーー。おもしろーーい。
「ナックルズ様はサラビカ様がつくられた、ニュートラルという、新タイプです。麻奈様をお守りするためにお生まれになったのです。
サラビカ様は、アラビカ様とともに神殿をお守りされていた偉大な法師様です。神殿は代々、ダークとヒーローのすぐれた法師達によって守られてきました。特にサラビカ様のお力はとびぬけていらして、時空移動の術や、人間でいう、科学にも精通しています。
今はヒーロー王国で麻奈様をお待ちしているはずです。」
チャオの新タイプを生み出すほどの力をもつ、サラビカかぁ。ふーん、興味あるなぁ。早く会ってみたい。
会いたいといえば・・お母様にまず会いたいなぁ。そういえば、あたし、人間の暮らししているときに、両親の記憶がないのよねー。いたとは思うんだけど・・どんな人か思いだせないんだ。だから・・たぶん、ヴァンや、アラビカのいうように、あたしは本当はこのチャオワールドで生まれたチャオなんだと思う。なんかそう考えた方が自然なかんじ・・。
あたしはふと、恋人だった笹中智樹のことを思い出した。彼との思い出は今でも鮮明に蘇る。そういえば、あたしがこっちに来て何日たつんだっけ。大学休んでるから、心配してるかな?そりゃあ、シャドウはかっこいいけどー、やっぱチャオだし・・あたしはいきなりわけもわからずふられたばっかで、まだあいつ