第15話
タテイ「・・・・・ブハッ・・・アッハッハ!!!!」
ジンが必死で泳いでいるときに、タテイがいきなりふきだした。
ジン「・・・・どうした。こんなときに笑って。」
タテイは何か望遠鏡のように長い筒のレンズのメガネをかけていた。そして遠くを見て笑っている。
ジン「・・・・何メガネかけて笑っている。変態的なモノじゃなかろうな・・・」
タテイ「ちがうよ!これもじーちゃんからもらったアイテムの一つでね。望遠メガネって言うんだ!100km先まで見えるんだよ!」
ジン「お前のじーちゃん。発明家なのか?」
タテイ「いやどうでもいいじゃん。」
ジン「で、今なぜふきだしたんだ?」
タテイ「実はさ、今、距離10kmから、どんどんズームしていって、メロとケム探してたんだよ。」
ジンは暗い顔で答えた。
ジン「メロとケムがいたってことか・・・?」
タテイ「そしてさ、ちょうど47kmんとこで、メロとケム発見したんだぜ!」
ジン「ほう。それで?」
タテイがいきなりメロとケムのものまねをし始めた。
タテイ「メロ:フフン。それなら運をためさせてもらうか。ウサギとカメ形式でな。」
タテイ「ケム:やったー!お昼寝ぇ?お昼寝ぇ?やったぁー!」
タテイ「メロ:たとえ寝ても、アイツらが泳いだ反動で、水が動く!空気が揺れる!気を感じる!たとえヤツがカメでも、俺は物語のウサギのようにトロくはねーぜ」
何分コイツはものまねうまかった・・・・
タテイ「なっ?笑えるだろ!?「たとえヤツがカメでも、俺は物語のウサギのようにトロくはねーぜ」って・・・・ブハッ・・・」
タテイは腹をかかえて笑ころげる。
いや、水の上で足をバタバタさせて笑いまくっている。
ジン「たとえ寝ても・・アイツらが泳いだ反動で、水が動く、空気が揺れる、気を感じる・・・ってか・・・・フフン。」
ジンも鼻で笑った。
タテイ「クカカカカ・・・俺にはなぁ、気体溶け込みって技もってんだよねぇー・・・・今まで黙ってたけどさ。」
ジン「なぬ。」
タテイ「へへっ。驚いた?俺は幼いころ、妖術ならってたんだ!すげぇだろ!?」
タテイはなにやら自慢げだ。
タテイ「でも、お前は気体溶け込みできねぇもんなぁ。じゃ、俺だけ気体溶け込みで気づかれずに進むから。お前はお前なりの方法でも考えたらー?アッハハハ!」
タテイは気体溶け込みができるからといって、調子をこいている。
ジン「・・・・・・」
タテイ「そーんなに落ち込まないで!気体溶け込みできねぇのは、しょうがねぇよぉ!」
タテイはニヤニヤした顔つきでいった。
ジン「フン。」
ジンはまた鼻で笑った。そのとき、ジンがゆらゆらと消え、空気へ消えたのだ。
タテイ「なにっ・・・!?まさか・・・お前も・・・」
ジン「残念だなあ、タテイ。実は俺の家系は、先祖代々から妖術使いなんだ。生まれたときから妖術ぐらい使えんだぜ。」
タテイ「生まれたころからっ!!???・・・・」
タテイは今まで自慢していたのをちょっと恥ずかしがった。