第16話
タテイ「まぁいい。二人とも気体溶け込み使えるなら、二人で気体溶け込み使って、さっとアイツらの目の前とおっちまおうぜ!」
ジン「楽しくなりそうだな。」
だが、気体溶け込みは、空気に溶け込まなければいけない。
空気の上昇によって、気体に溶け込むと当然
上にいこうとしてしまう。
なので、しっかり前に進むには、よほどの力とコントロールが必要だ。
タテイ「うぐ~~・・・やっぱり久しぶりの妖術は疲れるなぁ。」
ジン「・・・おい、お前どんどん体が上に・・・」
タテイはあまり妖術を使わないので、なれていない。
それに比べてジンは、安定していて、スピードも速い。
え?気体なのになぜ二人ともお互いの姿が見えるかって?
それは気体どうし、仲間だから。他のいろんな気体だって、彼らの目には見えているんだ。
タテイ「ヴヴ。。」
ジン「つらそうだな。」
タテイ「すまんっ!ジン~。ひっぱってくれぇー」
ジン「しょうがないな・・・」
ジンはタテイの腕をつかみ、風のようにさってゆく。
だが二人は上手く空気に溶け込んでいるので、いくら速く飛んでも、空気も風も動かない。
10分もすると、メロとケムの姿が見えてきた。二人はグースカグースカと寝ている。
タテイ「ププッ・・・本気で寝て━」
タテイがそういいかけた瞬間。ジンがタテイの口をふさいだ。
ジン「たとえ気体でも、声は音としてでてしまうんだ。それに、メロの耳、素晴らしく健康的だ。声をあまりだすな。」
ジンは、今にもかすれて消えそうな声で言った。
タテイはコクっとうなずいた。
そして、また風のように去っていった。
4時間かかった。なんと地割れ(谷)のさきっぽは、なめらかに上り坂になっていて、簡単にのぼれた。
そして地上に帰還した二人は、術をとき、大きなあくびをした。
もうとっくに夜。月はトップリと浮かび上がる。
そして、一晩二人は寝た。
そして朝。
タテイは望遠メガネで、谷底を見ていた。
すると、メロとケム発見した。ジンも望遠メガネをかりて、見ていた。
メロ「フアァ・・・いい朝だな。結局アイツ追いつけなかったな。」
ケム「やっぱりね!遅いモンアイツら!」
メロ「一晩寝まくったから、体がナマっちまったよ。もうゴールしようぜ。そして、後から来るヤツラを笑い飛ばしてやろうぜ。」
ケム「いいねぇー!こうしようよ!俺らが、ゴールで待ってて、そして、あとからあの虎野郎がきたら、俺とメロが、ぎゃーーははは!遅すぎ!バーカ!何日待ったと思ってんだ!水泳下手くそ!バーーカ!っていってやろうよ!」
メロ「うし。いいぜ。さっさといくか。」
そして、メロとケムはサーフボードに乗り、シュッと進んだ。
だが、やはりジンの風のハシリには劣らないようで、つくまで9時間もかかったようだ。