第12話 タテイスカン編

タテイスカンはユラユラと水のたまった谷底を流れていた。

タテイ「このまま流されていれば、どっかにつくだろ・・・」

あいにくだが、どこかにつく可能性はゼロ。

なぜなら地震で地割れした谷。たとえ地割れをたどっていっても、最後にあるのは地割れの終わりだけ。

地割れの終わり、谷底から見れば行き止まりだ。
だから、ずっと流れても意味がない。

タテイ「それにしても、すごい量の水が落ちてくる・・・」

上(迷いの森)は洪水。谷底にも滝のように大量の水が落ちてくる。

タテイ「でも、ちょっと・・・気持ちいい・・・かな?」

気持ちいいのはそれまでだった。

タテイ「・・・・!!!!・・・木ッ!!???」

なんと上から木が落ちてきたのだ。

タテイは水面をころがってよけた。

だが、まだまだ木は落ちてくる。

タテイ「洪水の被害か・・・っつうかこんなに木が落ちてきたってことは、迷いの森はもうハゲ状態だろうな・・・」

大正解(笑)

そのまま木をよけつづけ、なんと丸四時間。

深い深い谷底へも、強い太陽の光があたってくる。

谷底の気温は32℃。なぜジンの方よりも涼しいのか、それは、谷底には雨水がたまっている。そりゃ涼しくなるはずだ。

だが32℃もけっこう暑い。

タテイ「なんか・・・ムシムシする・・・・」

水も蒸発し、少なくなってきたようだ。

タテイ「でも、下が水で、プール状態だから、ちっと遊ぶか!」

タテイは今まで水にうかんでいたが、肩まで水につかった。

タテイ「あ~~。。。つめたい・・・・」

水の流れも遅くなってきたようだ。

タテイ「そうそう、ジンのことわすれてた。ジンもきっと谷底に落ちたんだろうな・・・」

いやそれは違うが(^^;)

タテイ「流れが遅い。早くどっかに着くといいんだが・・・ちと泳ぐか・・・」

タテイはバタ足で泳ぎ始めた。

すると、

メロ「そこまでどこかに着きたいのか?じゃあいいぜ、協力してやる。」

タテイ「ム!?」

後ろに、メロとケムが、サーフィンのボードに乗って、タテイに話しかけていた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第176号
ページ番号
12 / 17
この作品について
タイトル
★タテイスカン★
作者
風神(風人,カビキラー,ダン)
初回掲載
週刊チャオ第174号
最終掲載
週刊チャオ第183号
連載期間
約2ヵ月5日