第十話(下)
―プルグレリー保管されているお屋敷―(只今の時刻、5時45分)
だんだん日も沈んできた・・・・
プルグレリーが保管されているという、この大きなお屋敷。
そこの横にある、これまた大きなもみの木、その枝と枝の間に身を潜める一匹のチャオがいた。
彼は・・・・ダーフラワーの・・・・
ふう、そろそろだな。
チャイヒコ達は、ちゃんとやっているのだろうか・・・・・心配だが。
あ・・・!っとオレはダーフラワーのクロだ!
知ってると思うが、今回の作戦は3つに分かれて行動する。
んで、オレはこの屋敷の横の窓から侵入するんだ。
そして屋敷ないでチャイヒコと合流。プルグレリーを盗むってワケだ。
え?そんな方法で本当に盗めるかって?
何いってんだ!これはオレが考えた作戦だぜ。
失敗するわきゃーねえだろっ。
あ~、ヒーライターか?
ヒーライターどもなら、もう屋敷の中に入っていったぜ。
大勢の警備を連れてな。
チッ、絶対に警備は強化するなって、予告状に書いたのに・・・。
まぁ前回よりは少ないから・・・・いいか。
ふう、六時まであと少し・・・・っと、
・・・・・ん?
あれは・・・・
オレは屋敷の玄関先の方を見た。・・・・とそこには・・・
クロ「ありゃー、うちのメイドじゃねぇか・・・・。」
オレは少し小声で言った。
そう、屋敷の玄関先に・・・・なんと、あのメイドチャオが立っているんだ。
何故だ!?何でメイドがこんな所に・・・・・
そういえば、昼間執事が「メイドは急いでる様子だった」って言っていたよな~。
ま、まさかな・・・・。オレの後を追って・・・・って事は・・・・ないよな。
と、オレがメイドの事について、昼の様子を思いだしている・・・その時だ。
あ、やべ!こっち向いたっ
ササッ
オレはすぐさま太い枝の陰に隠れた。
な、なんでメイドの事でオレが隠れなきゃいけねーんだ?
メイドは仲間なのに・・・・・
でも、前からメイドの様子が・・・・時々オレの事を睨んでいるような気が・・・
まぁ、落ち着け。もうこっち向いてない・・・・だろうか
オレは恐る恐る、もう一度屋敷の玄関先を見た。
だが・・・・
クロ「あれ?メイドが・・・・いなくなってる?」
そう、さっきまで玄関先に立ってたメイドが、忽然と姿を消したんだ。
そこから走ったような形跡も無い。
まさか、お屋敷の中へ!?
謎は深まるばかりだった。(違っ)
ハッ!そういえば、六時まであと八分ほどだった!
メイドの事は後回しにして・・・・・
そろそろ準備運動でもしないとな(木の上で!?)
いちいち悩んでいたら、怪盗は務まらないんだ。
今回も全力で、盗みに入る!
次回へ続く?