第八話(下)
―ヒーライター事務所、三階―
ここはヒーライター事務所の三階にある、チャオリンの部屋。
室内の特徴としてはシンプルだが、室外にあるバルコニーがなんとも不思議である。
そして、只今チャオリンは部屋の片隅にあるソファーの上で、何かの本を読んでいる。
本の題名は・・・・「怪盗の全て」・・・・・なんと!
しかも表紙には、あのダーフラワーの三匹の絵が描いてあるではないか。
そしてチャオリンは、その本を熱心そうに見ているのだ。
チャオリン「次こそはダーフラワーをつかまえなくっちゃね!私だってヒーライターだもん。
前回みたいに甘いこと言ってられないわ!」
そう言うと、チャオリンは本を何ページかめくった。
チャオリン「えーっと、ここは見たわね。全部見たわ・・・・・・
よしとぉ!」
すると、チャオリンはいきなりその本を閉じた。
そして元気よく立ち上がったのだ。
チャオリン「何だか、ダーフラワーをつかまれる気がするっ☆よぉし、見てなさいねぇ~。ダーフラワー。」
チャオリンの後ではメラメラと、闘志らしきものが燃えていた。
チャオリンも「よし!」といいながらガッツポーズを決めている。
と、その時
ボーン ボーン ボーン
チャオリン「!!」
時計らしき音(?)がなった。
チャオリンはその音に気づくと、すぐさまその音がなった方向に目を向けた。
と・・・・・そこには、鳩時計らしきものがある。(鳩出てないジャン!)
その時計の針は、3時をさしていた。
チャオリン「あら!もう時間だぁ!ロビーに行かないとっっ。」
そう言うと、チャオリンは持っていた本を下に置きすぐさまドアの方向へ走った。
チャオリン「ドラマの再放送がはいっちゃうの~。」
なななんと、チャオリンが急いでいた理由はコレだった。
毎週日曜日の三時からはいるドラマで、いま大学生の間でかなり人気があるらしい。
そして、チャオリンは急いで部屋を出ていった。
――二階、ロビー――
ここはヒーライター集まり場所でもある、そして依頼受付所でもある所、二階ロビー。
その証拠に、部屋の中央にあるテーブルの上には、沢山の依頼書らしき紙が重ねておいてある。
「ルビーを守ってくれ」だの「あのチャオを見つけてくれ」だの、色々な事がその依頼書に書かれているということは、なかなかヒーライターも探偵として繁盛ているのでは?
と、第六話で紹介したソファーのところに、板チョコレートにほおばりつくチャオノスケの姿があった。
第六話後、ちゃんと食べ物をみつけたらしい。チャオノスケのまわりには盛りだくさんのお菓子が置いてある。
それをチャオノスケは高速で口に押し込んでいるのだ。(くわばらくわばら・・・・・・)
チャオノスケ「う~~ん、お菓子は最高だぁ~。」
口に物を含みながら言うチャオノスケ。
何を何といっているのかさっぱり分からない。
そして、その30分後までチャオノスケはお菓子を食べるのを止めなかった。
~~30分後~~
チャオノスケ「まだまだ食べれるぞぉ~!ばくばくっっ。」
時間が経っても、まだ高速でお菓子を口に押し込むチャオノスケ。
もう、チャオノスケの周りにはゴミがちらかっていた。
始めあったお菓子の量くらいに・・・・・
チャオノスケ「やっぱりおいしいね。ばくばく・・・」
と、他のお菓子に手を差しのべようとした・・・・その時
コンコンコンッッ
チャオノスケ「!」
何やら窓をつつくような音がした。
でもそこは二階。
チャオノスケは、その音に敏感に反応し、お菓子食べる手をとめ横目でその窓の方を見た。
さすがは探偵。
状況を一瞬で変えるのもピカイチである。
チャオノスケ「(だ、誰だろう・・・・調べてみる)」
するとチャオノスケはお菓子とゴミを手ではらい、静かに立ち上がった。
そして、窓の方へと向かった。
チャオノスケ「(こ、これは・・・・もしや・・・・おばけ!?)」
チャオノスケ「(そんなことない・・・・今は三時なんだから・・・)」
そして着いたは窓の前。
するとそこには・・・・
チャオノスケ「え?小鳥?」
そう、窓の柵のところには一匹の白い小鳥がとまっていた。
しかも、その小鳥のあしもとには白い小さな紙がくくり付けてある。
こ・・・これは、先ほどの・・・・あの小鳥なのでは?
この小鳥は、まっすぐチャオノスケの方を見ている。
チャオノスケ「な、なんかコワイな・・・。とにかく・・・・窓開けてみよう。」
ガラガラガラ・・・・
チャオノスケは恐る恐る窓を開けた。
すると、小鳥は勢いよく羽ばたき部屋の中に入ってきたではないか!
チャオノスケ「うひゃあ!」
バタンっ
チャオノスケは勢いよく入ってきた小鳥に驚き、後に倒れ込んでしまった。