第八話(上)
前回
クロ「話を聞けばわかる!では、作戦会議を始めるぞ。」
チャオラン「へぇ~、アンタもなかなかやるようになったのね。怪盗として。関心したわ☆」
パチッ
チャオランはクロに向かって、かるくウインクをした。
クロ「そ、そおか~?ま、オレリーダーだから!」
クロは照れ隠しのように口のみ微妙に笑っているが
顔は少し赤くなったもよう・・・・・
やっぱりチャオランのウインクには勝てないらしい・・・・・
だが、その言葉は敏感にチャイヒコに届いた
チャイヒコ「ちょいまて、オレがリーダーだコラ!!」
かなり怒った声で言うチャイヒコ。
手には力が入っており、持っている地図(見取り図)がくしゃくしゃになりそうだ・・・・
クロ「まぁまぁ、用は作戦会議なんだ。それについては後でゆっくり話そうぜっ。」
チャイヒコ「誰がっ!」
クロ「・・・・・・・・じゃあ、その地図を見てくれ。」(チャイヒコ無視)
チャオラン「わかった。」
そう言うと、チャオランはチャイヒコの手から地図を抜き取り
くしゃくしゃになった部分を広げた。
チャイヒコ「お、ちょら待てよっ!」
今度はチャイヒコがのぞき込むようにして、その地図を見ている。
クロ「えーっとまず、その地図にでっかく書いてある家・・・・何かわかるか?」
チャオラン「これね。」
地図の中央を指差した。
チャオラン「え・・・・・わかんない、何?」
チャオランは直ぐにクロの方を向いた。
チャイヒコはさっきとは一変して、真剣な表情で口に手を当てながらその地図を見ている。
チャイヒコ「もしかして・・・・・・プルグレリーがある場所か?」
クロ「そ、そうだ!当たりだっ。」
クロはいきなり、チャイヒコを指差した。
そして、
クロ「なかなかお前もやるな・・・・・・。っとなぁ、その家は代々から高級ワインを保管する家系で、今はプルグレリーを保管しているらしい。
だから、今回の盗みはちと難しいかもしれないぞ。」
チャオラン「え、何で?ただ家から盗みだすだけなんでしょ?」
クロ「それがな・・・・・実はその家の主人・・・・人間なんだ・・・・・。」
クロは密かに言う。
そして、
チャイヒコ
チャオラン「えぇ~!人間っっ!?」
二匹はかなり驚いたようで、後に跳びはねた。
チャイヒコ「なんで人間がその家系に入っているんだよ!」
完全に、二匹はパニック状態である。
クロ「知らねぇ。とにかく、今はその人間が守っているプルグレリーを盗むんだろ?ま、考えようによっちゃ簡単そうにもなるが。」
チャオラン「どうしてよっ。人間がいるのよ、あの恐ろしい人間が。どう考えたら簡単になるのよぉ。
ちゃんと説明してよぉ~。クロ~。」
チャオランの目が、だんだん涙目になってきた・・・・・
そしてそれをクロの方に向けている・・・・という事は・・・・
クロ「あ、あ、ゴメンゴメン。ちゃんと説明するから泣かないでくれ。」
クロは慌てた表情で言った。
クロ「せ、説明するとその人間はな・・・・・実は凄くひ弱ならしい。
外にもあまり出ていないらしくて・・・・・・
こ、これなら追いかけられる心配もないだろ?」
チャオラン「そうね♪」
何故か、チャオランの涙はどこかに吹っ飛んでいた。
クロ「とまぁ、人間の説明はこれまでとして・・・・・次は行動の説明だ。良く聞けよぉ~。」
チャイヒコ
チャオラン「OK!」
二匹は軽くうなずいた。
クロ「では、その家の所を見てくれ。
横と下に×印が書いてあるだろう?それがオレ達ダーフラワーの登場場所だ。
今回もバラバラに別れて作戦を行なう。
チャオランは家の正面、つまり下の×印。
そしてオレとチャイヒコは家の両端の窓から侵入する。」
チャオラン「ちょっと待ってよ!なんでアタシが正面から現れなきゃいけないのよ!」
チャイヒコ「そうだそうだ!なんでオレが一番目立たない横から侵入しないといけないんだよっ。」
二匹とも違った事をいう。
そして、二匹はクロをにらめつけた。
するとクロは
クロ「はぁ~。言うと思ったぜ・・・・」
と言いながら、いきなりイスからおり、後を向いてしまった。