第五話(上)
―美術館外(外)―
こちらの、チャオラン・クロは、まだチャイヒコを待っている様子。
そのチャイヒコが凄い物をもってきるとも知らずに・・・。
チャオラン「・・・・まだ来ないのかしら・・・・。」
チャオランは、腕を組みながら美術館を睨んでいます。
クロ「あと、ちょっとしたら来るだろう。
あいつは、絶対にミスするこたぁねーから。」
チャオラン「ミスしない・・・・?」
チャオラン「ねぇ、私いつも思ってたんだけど・・・・。
なんでクロ、チャイヒコがミスしないって決めつけるの?
なんかワケでもあるのかしらぁ?」
クロ「そ・・・それは・・・言えねぇ!」
チャオラン「え~~~なんで~~?教えて♪ ねっねっ!」
パチッ
チャオランはクロに向かってかるくウインクをした。
これにはクロも昂奮(?)せずにはいられないでしょう。(笑) クロ「ま、まぁ、ちょっとだけなら教えてやっても良いぞ~!」
クロは、いかにもやらしそうな目つき、そして口で、顔を横に振り出した。
チャオラン「ホント!? じゃあ、話して!(単純・・・ね)」
でも、とたんにクロの表情はものかげしくなりました。
クロ「・・・・・・・ふう。聞いて驚くなよ。」
コクッ
チャオランは顔を軽く前にふった。
クロ「・・・オレはな・・・・実はな・・・・・怪盗になるまえは・・
チャオ大学の・・・・・・生徒だったんだ!」
チャオラン「(え!?チャオ大学?)」
クロ「・・・・・でも、自分の意志で入ったワケじゃない。
オレの親が・・・・・オレの人生の半分を決めちまったんだ。」
チャオラン「!?」
そして、クロの表情はイキナリ荒々しくなりました。
クロ「オレは・・・・成績の位をさげられたくないため・・・・・
家でもどこでも勉強させられた・・・・。
オレの・・自由な時間はこれっぽっちも無くなってしまったんだ。」
チャオラン「(え~~~、勉強? 私したこと無かったけど。)」
クロ「でも、チャオの神はオレにチャンスを与えてくれた。」
チャオラン「(え。神? こいつ神なんて信じてたの?ダサーーい)」(説明はちゃんと聞きましょう。)
クロ「ある日・・・・・オレんちに怪盗からの予告状が届いて・・・・・
その晩に、怪盗がやってきたんだ・・・・・。」
チャオラン「それが・・・・・チャイヒコ?」
クロ「そうだ。」
クロは軽くうなずいた。
クロ「チャイヒコは、あらゆる警備チャオの攻撃・しかけをかわし、
そのままオレんちの家宝を盗んでいったんだ・・・・・。」
クロ「そして、その時、オレはなぜかチャイヒコを追いかけたくなり、
家を出ていったんだ・・・・。」
チャオラン「それで?何?次は?」
クロ「こっから先は言えねぇ。」
クロはムスっとした顔で、後ろを向いてしまった。
チャオラン「え~~、なんでなんで!?」
クロ「ダメだったらダメなんだ・・・・・。
じゃあ、お前はなんなんだ?
なんでチャイヒコと怪盗を始めることになったんだ?」
くるりっ
クロは、あきれような期待しているような顔で
チャオランの方へ向き直した。
クロ「あの時、お前はどっかに行ってたらしいからな・・・・」
チャオラン「え!? そ、そんなのどうでもいいでしょ!!」
かなり焦った表情である。
クロ「なんだよ!オレが教えてやったんだから、お前も教えろよ!」
チャオラン「いいのぉ~。女はヒミツがいっぱいあった方がいいのぉ~。」
(どっかで聞いたことのあるセリフを吐く)
クロ「ふん! わかんね~~やつ!」
と、その時だった。
チャイヒコ「チャオ・リザの原画!持ってきてやったぜ!!」
クロ・チャオラン「!!!?」