キーワード小説『とある少女の日常』

カノンとの始めの一日目はお互いの信頼を築くためにお互い自分の事を話した。
何故かはわからないけど、私は自分のペースでいられなかった。
でも、できるだけ私らしくいようと思った。

私はカノンに好きな食べ物、嫌いな食べ物を訊いた。
育てていた人が人だから、人間の食べ物の方が慣れているらしい。
木の実とかも勿論、食べるみたいだけど。
そして、カノンは私に、どんな性格なのか。どんな毎日を暮らしているのか。と訊いてきた。
カノンが何故そんな事を訊いてきたのか少しわかった気がする・・・。

二日目はもう私はいつもの私だった。
学校帰りに私はガーデンに寄った。
カノンは寝ていたようだ。
チャオは起きるとお腹が、減っているらしい。
なので私はガーデンに生えているヤシの気に生っている木の実を、いつもは1個つなんだけ、だけど今日は3つ揺らし落とした。
カノンは前の飼い主から木の実の落とし方を教えてもらってないらしく
特別に毎日、私がいない時間帯に係員の人が木の実を1つずつ、朝昼晩の三食与えて貰っている。
そして落としてから15分後。カノンは起きたようだ。
大きなあくびの後、寝ぼけた目でキョロキョロと辺りを見渡していた。
すると私と目が合った。
カノン「来てたチャオか~。」
梨沙「おはよう、カノン。良く寝てたね。」
カノン「見てたチャオか~。」
ぐぅ~
カノンのお腹が鳴った。
梨沙「はい、木の実。」
梨沙はそう言うとカノンに木の実を渡した。
カノン「ありがとうチャオ~。・・・なんで3つもあるチャオか?」
カノン「もしかして・・・、ボクの食べてる姿が可愛いってわかったから見たいチャオ?」
梨沙はそっぽを向いて
「べ、別にそんなんじゃないよ。カノンはいつも1つだけじゃ物足りなさそうだったから!
これからはと、時々しか、多くあげないよ!」
梨沙「(なんで、こんなに勘がいいの?た、確かに可愛いけど・・・。チャオ相手でも言えない・・・。)」
カノン「なんで、そっぽ向いてるチャオか?」
梨沙はカノンにそう言われ、すぐに振り向いた。
梨沙「い、いや、何かあっちの方で物音が聞こえた様な聞こえてないような・・・。」
梨沙は少し焦りながら言った。
カノンは『あること』に気付きそれを指摘した。
カノン「梨沙、なんで顔が赤いチャオか?」
梨沙は驚いた様子で、そっぽを向き自分の頬に両手を当てて、確かめた。
カノン「風邪でもひいたチャオ?」
梨沙は慌てて言った。
梨沙「そ、そう、今日は少し風邪気味なんだ、で、でも大丈夫!さっき薬飲んだから!
(な、なんで顔赤くなっての!私!照れる事一つも無いじゃない!しかもチャオ相手にチャオ相手によ?何かの間違い・・・、そう間違いだ。よし落ち着け、私は私・・・。)」
梨沙は、いきなり「よし!」と言いカノンに向き直った。
梨沙「早く食べないと遊ぶ時間なくなるよ?」
カノンはいきなり「よし!」などと言われたから返事を返すのに少し遅れた。
カノン「わ、わかったチャオ。食べるチャオ・・・。」
カノンはそう言うと木の実を二つ食べ、残る一つは、ガーデンの隅に置きに行った。
木の実を置いて戻ってきた、カノンは梨沙に「何をして遊ぶチャオか?」と訊いてきた。
梨沙は「ん~、ボールでいいよね?」
「ボール!いいチャオ!」とカノンは頷き、二日目はこうして過ぎていった。


こんな様に一週間はあっという間に過ぎていった。

そしてこんな事もあった。
円華「ねぇ、梨沙さ、なんか最近活き活きしてない?」
梨沙「え?そうかな。」
孝弘「確かにここ最近、ツンデレらしさがないな。」
梨沙「管野センパイ・・・?」
孝弘「いや、冗談だ、冗談。」
玲花「また、梨沙をからかってたの?孝弘。」
梨沙「玲花さん!」孝弘「玲花!」円華「玲花先輩!」
この人は久遠玲花(クオン レイカ)、管野先輩と同じクラスで私と円華の先輩だ。。
眼鏡をかけていて、キリッとした、クールな外見の反面、私達の面倒を良く見てくれる、姉のような存在だ。
それに円華曰く「玲花先輩はメガネを外すと超美人 」と言ってるだけあって。
外しても、美人だった。
管野先輩と幼馴染らしいけど・・・、本人たち曰く「ただの腐れ縁」らしい。
玲花さんもチャオ愛好会だ。

玲花「確かに梨沙の表情とか輝いてるね。何か良い事あったの?この一週間」
孝弘「わかった、俺に恋をしたな?または俺に渡す恋文か?いや告白の台詞か・・・?
ふっ・・・やはり、最近流行りのちょい不良オヤジを若いながらも意識した甲斐が・・・」
梨沙「残念ながら全部ハズレです。管野先輩。それで表情についてですけど・・・。
良い事かはわかりませんけど、私もチャオを育てるようになりましたけど・・・。」
玲花「そうなの?!」
一瞬、玲花さんの目が光ったような気がする・・・。
玲花「円華!孝弘!梨沙を部室に連行ね。」
円華・孝弘「イエッサー!」
梨沙「え?え?」
私は訳も解らないままチャオ愛好会の部室に連行された・・・。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第223号+ソニック生誕記念号
ページ番号
3 / 6
この作品について
タイトル
キーワード小説『とある少女の日常』
作者
銀チャオ
初回掲載
週刊チャオ第223号+ソニック生誕記念号