『十七話・~試練3~』
「バンドゥル、この先に何があるかとか、道とかわかんないの?」
フロルは唐突にバンドゥルに聞いた。バンドゥルはふっと笑っていった。
「この世界だけではないが亜空間は入るたびに変わるようにプログラムされている。まあ、あるもの自体は変わらないが、場所や道順が変わるのだ」
「・・・・・バンドゥル、今、バンドゥルじゃなかったでしょ」
しばらく沈黙した後、フロルは言った。
「・・・・・?フロル、何か言ったか?」
「みんな、ちょっと止まって」
セイレーンがいきなりそういって立ち止まったので、つんのめって二人転んだ。(誰でしょう?)
「いったいなあ。止まるときはちゃんと言ってよ」
聞いてなかった一名
「いた~いの~なの~」
すでに日常茶飯事な一名
(答え)フロルとジィニーは転んだ。
「一体何があったの?」
アクアルはセイレーンに聞いた。セイレーンは、
「行き止まりなんだ。・・・おかしいなあ、分かれ道なんか無かったのに」
そういって、目の前の壁を叩いた。フルールが壁に近づき、叩く。
「これ、大きな岩だよ。道ふさいでるみたい。ルーがどかすよ」
そういって、魔法をといた。茶色いニュートラル・チカラチャオだ。
「どっち側にどかすの?」
「そうだな・・・とりあえず押してみるか」
フルールが大きな岩にふれると、岩は少し縮んだように見えた。フルールが岩を押す。岩は、大きな音を立てて、少しずつ動き始めた。
ある程度動かすと、かちっと音がして岩が淡く光り出した。だんだん光をましていく。
フルールはそっとそれから離れた。
岩は少しずつ浮かんでいく。フルールが見上げると、上ではたくさんの岩が浮遊していた。
「みんな、早く来て、もしかしたら新しい岩でふさがるのかもしれない!」
チャオ達とバンドゥルは、素直にフルールに追いついた。全員通り抜けたところで、後ろで何か大きな者が落ちる音がした。全員一斉に振り返る。後ろは大きな岩でふさがれていた。
「フルール、どうして分かったの?」
「ルーにも分からない。何となくそんな気がしたんだ」
フロルは分かったんだが分からないんだか分からない顔をすると、歩き出した。
「今度は僕が先頭行くー♪」
チャオ達は、面倒なのでほおって置いた。