『第十話~惑いの森~』
あらすじ
フロル達はラルフィンの贈り物を身につけ旅立った。
………………
薄暗い森の中を彼らは歩いていた。
バンドゥル、セイレーン、ディン、フロル、アクアル、フルール、ジィニー、ダークの順番に並んでいる。
「うわっ」フルール
「何じゃ!」 バンドゥル
みんな振り返った。
「臆病者だね、キミ。こんな者で驚くなんて。」 ???
彼らの眼には不思議な生き物が木にぶら下がっているのが映った。
耳らしき物が翼っぽい形で、尻尾が長くて目が大きい。
そして手にコンニャクがひもでつけられた棒を持っている。
「ルーは臆病者じゃないもん。」 フルール
「お前はラファイ族か。ほんにいたずら者が多いとは聞いていたが・・・。」 バンドゥル
「その通り!僕はラック。ラック・ラファイだ。捕まえられるもんなら捕まえてみな!」 ラック
ラックはそういうと、フルールの石、グラント・ストーンを奪った。そして尻尾を器用に使って逃げていった。しかし
「うわっ、危ないじゃないか。何すんだよ。」 ラック
「ラック、彼らの邪魔をしちゃだめなんだよ。」 ???
???はラックから石を奪い取るとフルールに投げた。
「うわっ落としたらどうするつもりだよ。・・・誰だよお前。」 フルール
「僕?僕は、リーファ・ラビスン。ラビスン族の一員。森の番人もしてる。今はこいつを懲らしめてるとこ。」 リーファ
リーファはラックのお尻をたたいていた。
ちなみにリーファの姿は、耳垂れうさぎに小さな羽、頭に一本触覚、である。触覚の先は矢印みたくなっている。
「リーファひどいよぉ・・・。」 ラックはお尻を押さえて丸まった。
「自業自得。ところで、バンドゥルはどこに行く予定なの?そんなに大所帯で。」 リーファ
「時の狭間じゃ。」 バンドゥル
「ふーん。それならあっちだよ。・・・案内いる?」 リーファ
「いると思うか?」 バンドゥル
リーファは少し考えると言った。
「運が悪いと最低一週間迷うね。・・・よし、案内するよ。」 リーファ
フロル達は薄暗い森を歩いていた。
リーファ、バンドゥル、セイレーン、ディン、フロル、アクアル、フルール、ジィニー、ダークの順番だ。
「ところで、森の番人ってどんなの?」 フロル
「えっとね、邪魔者を排除したり~不審者を迷わせたり~いたずら者を懲らしめたり~良いやつの道案内したり~・・ぐらいかな~。」 リーファ
「ふーん。何か楽しそうだね~。」 フロル
「楽しいよ~。毎日がはらはらどきどき!ってほどじゃないけどね~。」 リーファ
「邪魔者ってどんなの?」 フロル
「うじょうじょしたのとか~うじうじしたのとか~くろくててかてかしてるのとか~うにうにしたやつとか~」 リーファ
「変なのばっかだね~。」 フロル
「だって変なのが邪魔だもん。邪魔者は排除した方がいいと僕は思うの~」 リーファ
フロルとリーファはさっきからふつーの人にはあまり理解のできない会話をしたりしていた。
「あ、もうそろそろ出口だよ。」 リーファ
「やっと出口か。(やっと訳のわからん会話から抜け出せる。)ご苦労だった、リーファ。」 バンドゥル
「どう致しまして。次はどこだっけ?」 リーファ
「ルビー海を抜けて次元の扉を開ける。」 バンドゥル
「ふーん。じゃ、サーベルによろしく。」 リーファ
「それじゃあな。」バンドゥル
フロル達は森を抜け、海へ向かった。フロルが振り向くと、惑いの森からラックがあかんべをしていた。フロルは振り向かなきゃよかったと後悔した。(ちなみにラックはまたリーファにお尻をたたかれた。)